第4話 夢

「あ、目が覚めたのね。良かったわ」

と、彼女は優しく微笑むと私の頭を撫でてくれましたが、とても心地良くて安心出来ましたし嬉しかったです。

その後は彼女に支えられながら家の中に戻るとベッドで横にさせられてしまいましたので、申し訳ないと思いながらも私は眠りにつきました。

しかし、次の日になっても体調が良くならずに苦しんでいると彼女が現れて心配そうに声を掛けてくれたのですけれど、

私にはどうする事も出来ずにいると、その事を察してかアリッサは何かを取りに行ってしまいました。

そして、戻ってきたアリッサが手にしていたものは、とても綺麗な石で見た目は緑色をしているのですけど、

見ていると心が安らぐ感じになりました。

(何だろうこれ?)

と思っているうちに、いつの間にか意識が遠退いていったのですが、次に目が覚めた時には体調が良くなっていましたので不思議に思いましたけれど良かったです。

その後、暫くしてから私が動ける様になったのでサラナと一緒に外に出る事にしたのですし、

そこで改めて自分の置かれている状況について考えてみる事にしましたね。

まず、最初に感じたのは身体が軽くなったという事でした。

しかも、以前よりも動きが良くなった気さえしましたので驚きましたし嬉しかったですね。

(これも、サラナのお陰なのかな?)

そう思いながら彼女の方を見ると目が合ってしまったのですが恥ずかしくなってしまい顔を背けてしまいましたが、

そんな彼女に助けられながらも歩いていると前方に崖が見えてきましたので、

下を覗いてみたのですけれど底が見えませんでしたから怖くなってしまいましたね。

それでも私が興味本位で眺めていると急に後ろから押されて落ちてしまったのですけれど、

怪我一つありませんでしたから助かりましたわ。

その後、私は彼女に叱られてしまいましたが、その理由というのが、私が危険な事をしたからです。

(それは分かってるけれど、それでも見たかったんだもん)

そう思いながらも反省していると彼女の優しさに包まれながら抱きしめられましたのでありましたが、

それが心地良くて嬉しかったので抱き返しましたわ。

でも、急に苦しくなって息が出来なくなったからパニックに陥ってしまいましたけど、

サラナさんが助けてくれたので本当に良かったです。

その後は一緒にお城に帰って来て部屋にいる訳ですが、ベッドに入って横になっていると眠気に襲われまして気が付いたら眠っていましたね。

ところが、目が覚めた時には何だか不思議な気分になっておりました。

というのも、今まで見えていたものや感じてきたものが変わっていて、それが何なのか上手く説明出来ないのですけど、

兎に角変わり過ぎている気がするのです。

(もしかしたら、これもサラナのお陰なのかも)

そう思っていると彼女が部屋にやって来たので私は思わず、彼女の手を取ってしまうと笑顔を向けてくれたので

私もつられて笑顔になったのですが、次の瞬間には目の前には誰も居なかったのですよ。

暫く呆然としていたら聞き覚えの無い声で私の名前を呼ぶ声が聞こえますので返事をしようと思ったのですが、

何と返事をしたら良いのか分からなくて戸惑っていると声を掛けられたので慌てて返事をする事にしましたが、

その声は何処かで聞いた事がある気がしてなりませんでした。

何故なら、その声の主は私の婚約者のサラナ・エリフェーン様の声に似ている気がするのです。

しかも、その方の姿は見る事が出来ない状態でして、

(どういう事かしら?)

と考えていると声が聞こえてきたので更に混乱してしまいそうになりましたが、何とか耐え切りましたわ。

それ以降は私は起きていても夢の世界で生活することになってしまい、現実の世界では寝てばかりの生活が続きましたが、

不思議と不満はなくなりましたし、寧ろ楽しい日々を過ごしておりましたのね。

けれども突然記憶が無くなる事がありこれには困っていましたが、それでも周りの方は優しくてとても嬉しかったですわね。

そして今日もまた夢を見る事になるのですが、これが私の夢なのか現実の世界の出来事なのかが分からないのですけど、

今は気にしない事にしておりますわ。

朝になると私は目が覚めましたが、いつものように身体を起こそうとすると力が抜けてしまったのか

起き上がれないどころか指先一つ動かす事が出来ませんでした。

なので、仕方なく横になったまま周囲を見回してみたところ誰もいない事に気付きましたので

安心して休んでいると足音が近づいて来たので驚きましたが、すぐに安心感が湧いてきましたので身構えていた力を抜いていきましたら

声を掛けて来ましたので返事をしたのですが、何故か返事が返って来ないのでありましたね。

それに不思議に思って再び声をかけてみるのですけれど返事がないので再度尋ねてみたところ返事がありましたけど、

それは私が想像していた返事とは全く違うものだったので驚きましたわ。

しかも、その声がサラナだったので更に驚いてしまいましたが、 何故だか分からないけど違和感が無く聞き覚えのある声に感じられましたのね。

ですが、同時に違和感を覚えてしまいまして自分が何者なのか分からなくなっていましましたし本当に困惑してしまいましたが、

少しだけ冷静になったところでサラナ様に尋ねてみましたところ私の名前を呼んでくださいましたのでね返事をする事が出来たのですが、

それでも反応が無いのです。

(これはどういった意味でしょうか?)

と考え込んでいるとまた声が聞こえてきましたので返事をすると返事が返ってきたのですが、

その声がサラナのものであることに気付きましたの。

ほっとしたのですが、何故ここにおられるのかが分からなくて考えてみると、答えが見つかりませんでしたわ。

(流石に考えるだけでは答えは出てこないという事ですね)

と考えていると何かを渡されたので受け取ると温かくて美味しい食べ物でしたけれど、私は料理が苦手だったので本当に嬉しかったですし、

それにとても優しい味だったので美味しくいただく事が出来ましたわ。

その後はゆっくりとお昼寝をしていたら眠ってしまいましたね。

夢の中に出てくる方もいらっしゃるようですね?

そして目が覚めると小さくなった彼女に出会う事になったのですが、この子は一体誰なんでしょうかね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る