第3話 再会
次に気が付いた時には何故かベッドの上に寝かされていたのですが、誰がここまで運んでくれたのかは分かりません。
(頭が痛い)
そう思いながらも状況確認の為に周囲を見回すと隣のベッドに私を運んでくれた人がいました。
そして、その人はベッドの横で椅子に腰掛けて本を読んでいたのでありましたが、私が目を覚ました事に気付くと声を掛けてきました。
「大丈夫?」
そんな事を言いながら笑顔を見せていた彼女の顔を見ると何だか癒された気分になったのでございましたし
安心した事もありましたけれども、それと同時に妙な違和感を覚えたので質問してみる事にしたのですけれど、
返ってきた答えは意外なものでした。
まさかアリッサの事を忘れていたとは思っていなかったのでしたが、それでも彼女が居た事を教えてくれた事は嬉しかったですし、
これからもアリッサと一緒に居られると思ったのでありました。
その後も彼女と二人で色々と話をしましたが、 その中で気になる事があったので尋ねてみたのですけれど、
何と彼女は自分の年齢を19歳だと言っていたので驚きましたね。
でも、外見を見れば納得出来るものでしたので納得しているといきなり口付けされたと思ったら変な気分になって来て何も考えられなくなってしまいました。
(これは何なの?)
そう思いながら困惑していた私でありましたけれども、不意に彼女の唇が離れると耳元で囁かれた言葉に私は恐怖を覚えてしまいました。
何故ならその声が恐ろしく歪んでいて怨念にも似たものを感じたからです。
そして、その声を聞いた途端に全身に鳥肌が立ち恐怖のあまり悲鳴を上げようとした瞬間でした。
私の意識は、そこで途絶えてしまったのでありました。
(うぅ、ここは何処なのかしら?)
そう思いながら周囲を見回してみると薄暗い部屋の中に居ましたので、怖くなり急いで外に出ようとしましたが扉が開かずに閉じ込められていたのです。
私はパニックに陥りそうになりましたけれど、どうにか落ち着こうと努力して冷静になろうと頑張りましたが、
状況が変わる事はなく時間だけが過ぎていき不安と焦りばかりが増していきまして、
このままだと気が狂ってしまいそうでしたので必死に耐えていると不意に声が聞こえてきました。
その声は私を励ましてくれている様な気がして嬉しかったのですが同時に悲しくもありましたし、
この声の主は誰なのか気になっていましたが、今はそんな事を考えている場合ではありませんでした。
何故なら、扉の向こう側から足音が聞こえてきたからです。
(もしかして、助けに来てくれたのかしら?)
そんな期待を抱いていたのですけれども、扉を開けて入ってきたのは私の知らない女性でした。
(誰なのこの人!)
そう思いながら見ていると女性は私に向かってこう言ってきたのです。
「貴女は死んだのよ」
その言葉を聞いた瞬間、私は絶望しましたし目の前が真っ暗になりましたけれど彼女は続けて言いました。
「大丈夫よ、これからは私が守ってあげるからね」
そう言うと優しく抱き締めてきたのですが何故か恐怖を感じてしまったので、抵抗しようとしたのですが力が入らずにされるがままになってしまいました。
その後、私は彼女の家に連れていかれたのですが、そこでの生活は苦痛でしかありませんでしたね。
だって、彼女は私を人形の様に扱うのですから……。
でも、一つだけ良い事がありました。
それはアリッサと再会出来た事でしたし、リリレーナさんにも会えましたから寂しくはなかったのですけれど、やはり私には二人が居なければダメな様です。
そんな日々が続いたある日の事でした。
いつものように目を覚ますと私の身体は既に動かない状態でしたので驚いたのと同時に恐怖を感じてしまいましたが
次の瞬間には何も感じなくなりましたがその時、脳裏に浮かんできたのは以前の記憶でした。
(あれ?)
と思い考えているうちに少しずつ思い出してきたのですが、それは自分が殺された時の事であり、
あの出来事がきっかけとなって記憶が蘇った様でした。
そして、私が死んだ事を認識した途端に再び意識が薄れていきそうになった時に、
急に現実に引き戻されてしまいましたので私は困惑しながらも周囲を見回してみました。
そうすると、そこにはアリッサの姿があり私は彼女に抱き着いて泣き叫んでいました。
その泣き声を聞きつけたのか誰かが部屋に入ってきたのですが、それが誰なのかはすぐに分かりました。
(あぁ、サラナ……)
そう思った瞬間、私の意識は途切れてしまいましたが不思議と不安や恐怖はなくなりましたし、
とても幸せな気持ちに包まれたまま眠りにつく事が出来たのでした。
(サラナ、ありがとう)
そして、目が覚めるといつもと同じ光景が広がるだけでしたが、今日は何故か普段よりも体調が良くなっている様に感じましたので
ベッドから起き上がると歩き回る事にしました。
ですが、いつもと同じ様に歩いたつもりだったのですが、足がもつれて倒れてしまいました。
その後、ゆっくりと立ち上がってみると少しだけ歩ける様になっていたので嬉しくなりましたが、それと同時に自分の事が不安になりました。
(もしかして、歩けなくなったりするのかしら?)
そんな不安を抱きながらも私は部屋を出ると廊下に出て歩いてみる事にしたのですけれど、その途中でサラナに出会ったのでありました。
彼女は私を見るなり駆け寄ってくると抱き着いてきたので驚きましたが、それ以上に嬉しかったので私も抱きしめ返しました。
それから暫くして落ち着きを取り戻した私達は部屋に戻る事にしましたが、その時にある事を思い付いた私は彼女にお願いしてみる事にしました。
それは一緒に散歩をして欲しいという事でしたが、彼女は快く引き受けてくれたので一緒に歩く事にしました。
そうして歩いていると、急に目眩がして立っていられなくなり倒れそうになったのですが、
その時に彼女が支えてくれたおかげで何とか持ち堪える事が出来たのでホッとしていると、
彼女の手が私の頬に触れてきたので思わずドキッとしてしまいました。
(何だろう、この感じは?)
そう考えているうちに私は意識を手放してしまったのでありました。
(あれ、ここは何処かしら?)
気が付くとそこは見知らぬ場所でしたが、不思議と恐怖心はありませんでしたし不安もありませんでした。
何故なら、そこには私を愛してくれる人が居たからです。
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