第14話 3人の側近
食の間には既に
「遅かったな」
「申し訳ございませんっ」
その逆側に座っている
よくよく見ると、
それに、何度も言うようだけれどテーブルの上にあるのは食材で、調理がされていないのだ。それを側近のみんなも不思議がらず食している。
先ほどから香っていたのは、果物の香りだったのか。
―― こんなにも美味しそうな食材があるのに、料理はしないのかしら?
「食べないのか? お前も呑むのであれば盃を用意させよう。
「あ、いえ。お気遣いありがとうございます。私はこちらで」
「そうか? これは人間たちが奉納してくれた物だからな。心して食えよ」
「は、はい」
カプっ。
「お、美味しい!」
「美味そうに食うな」
「えっ?」
「それ、そんなに美味いのか?」
「は、はい。
「いや。それ、トマトって言うのか」
と言うと急に興味を無くしたように、酒をグイッと飲み干し
―― あれ?
しばらく
この中でも一番の男前だ。
まだ一度も
その隣にいる男は、
「そっちより、こちらの方が甘くて美味しいですよ」
「うわっ。すごく美味しい!」
「だろ? この城の物は全て
酔っぱらったのか、眠そうな眼をした
お友達になれるかもしれない! と
「お前…、なぜここにいる?」
声をかけられた主に皆の視線が集まる。それは3番目の男。髪はさらさらで黒く、
とても綺麗で白い肌と、長いまつ毛。ぱっと見女性と言われても不思議ではないくらい、優しそうな雰囲気をまとっていた。
「
「ら、蘭丸さま! いつお戻りに!?」
「いや…あの…」
蘭丸と呼ばれた男は、部屋中にいるみなの視線を浴び、めちゃくちゃ恐縮している。
「実は…、
「ちっ、あのクソ親父め」
「
そういうと蘭丸は爽やかな笑顔で
「素敵!
「好きにしろ」
「えっ?」
「
こっそり
も、もっとわかりやすく話してください…。と
蘭丸と午後に会う約束をして、朝食はお開きとなったので、
部屋にはまだ飲み足りない
「
「うん? これのことか?」
「それでございます。それを
「だな」
「何故お渡しになられないのです?」
「あいつは人間界に戻りたいんじゃないのか? 母上の様に…」
「
「な、なんてことを!」
「あいつに渡しておいてくれ。食べるも食べないも、あいつの意志にまかせる」
「ダメです! きちんと
「頼む」
そう言うと
小瓶が
神と人間では時間の経過速度が違いすぎるのだ。
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