第11話 婚礼の儀
「ねぇねぇ~人間の花嫁さんだよー」
「うわぁ~お綺麗ね~」
「バンザーイ!」
「おぉ~なんとめでたい!」
「これで
「めでたい、めでたい! こんな日にここにいられるのは幸せなことよ」
「早くお世継ぎを期待いたしましょう!」
「それは、まだ早いぞ(笑)」
大きな歓声が聞こえる。
婚礼の儀当日、神の国ダルモアはお祝いムードに包まれていた。城下町のシンボルである大きな噴水広場を
「うわぁ~。なんて素敵なの?」
ここに兄の
「お兄さま、
※ ※ ※
街を巡った後、
「
「
いつの間にか
「中に入られましたら、
「はい」
「どうしました? 緊張なされていらっしゃいますか?」
「えぇ、私上手にできるかしら?」
「大丈夫です。上手にすることなんてないんですよ。いつも通りで。それに…
昨日のあの態度を知って、どこをどう見れて優しいと思えばいいの? と思わずにいられない
「
さぁ、と
目の前には、
上座に夫となる
―― ど、どうしよう。オーラ? いや…圧がすごい…。
いつも緊張なんか無縁の
逃げ出すことは許されず、人間界に戻ることも許されない。心臓が口から飛び出るんじゃないかと思うほどバクバクしていた。
「
その声と共に
そして
―― 人間界と神の国は繋がってる…。
それに気づいた
大広間は婚礼の儀を告げる雅楽が演奏され、
「おぉ~、綺麗な
「しっかりした器量の良い
参列者から感嘆の声が上がる。その間を抜け
「
沈黙…。
不安になり
二コリともしない
「待っていたぞ」
その言葉を皮切りに、神の長老のようなヨボヨボのお爺ちゃんが二人の幸せが永遠に続くよう祈りを捧げ、いよいよ誓杯の儀が執り行われる。
神の使いの巫女が盃に神酒を注ぐ。
―― 私は
横を見ると、
こ、これは飲まないという選択肢はない。
―― もぉ、頑張れ私! びびるな私! 私は
ちょっと待って。ま、まさか…生け贄に喰われるのでは!? という不安が頭をよぎったとたん凄まじい足音と、大きな声が聞こえてきた。
どうやら、誰かがこちらに駆けつけているらしい。
「げっ。
「
「何が起きているの?」
「来るぞ」
「えっ? 何が来るのですか?」
隣の
「早い…まだ宴には早い。
「…とおっしゃられましても…」
そんな二人のやり取りなどお構いなしに、広間の入り口の扉が勢い良く開いた。
「えっ!?」
「これは父上! 早いお着きで」
現
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