神の国
第9話 神の国で再会
「
「う…うぅ~ん」
「ご気分はいかがですか?」
どこからか聞こえてくる声で、
「ここは…」
「ここは神の国ダルモアでございます」
「ダルモア?」
ふかふかのお姫様ベッドで目覚めた
ゆっくりとではあるが、明るい光に目が慣れ、
「私…神の国に到着したのですね」
はっ、ご挨拶しなければ!
「申し遅れました。私、
「あぁ~
声の主は慌てて
「
「
白くて長い髪。頭には犬のような狐のような耳がついている。膝まずき体を支えている腕には、鍛え上げられた筋肉が服の下からでも見ることができた。
さらに
正座をして
「これは…?」
「あぁ、こちらは…、その節は本当にありがとうございました」
「えっ? えっ? もしかして、あの真っ白な狐ちゃん?」
「あ、ごめんなさい。狐ちゃんなんて失礼なこと…」
「いえいえ、我々は神の使いとして人間の前では真の姿を見せるわけにはいかず…あの時は大変失礼いたしました。」
「
「承知いたしました」
「あのぉ~」
「なんでしょう?」
「私がお遣いすべき旦那さまに、まずはご挨拶をさせていただきたいのですが…、可能でしょうか?」
神の国ダルモアは緑豊かな美しい国。見たこともない建物、見たこともない木々が生い茂っており、本当であればいろいろ観て回りたい。
「大丈夫ですよ。すぐにお会いできるかと」
神は厳かで力強く慈愛に充ちている(ハズ)。嫁をめとることなど深い意味はないのかもしれない。
できれば愛し愛され、共に過ごす時間を楽しく過ごしたい。でも…それは叶わぬことなのかもしれない。だって、神は皆を愛するものだから。
「何も
「
「ありのままの
「はいっ」
ダルモアの城内はとても自然豊かで、木々には見たこともない鳥たちがさえずり、路の脇には綺麗な花々が咲き誇っている。そこを蝶がヒラヒラと舞い踊り
「どうですか? この国も捨てたものではないでしょ?」
「えぇ、とっても綺麗~。今は春なのかしら?」
「はい。人間界と同じでここにも春夏秋冬があります。あ、もう少ししたら我が国自慢の一つ、御堂の滝をご覧いただける絶景ポイントに到着いたしますよ」
そう言うと、少し道が上り坂になり、
「うわぁ~~~っ。綺麗~」
小高い丘を上がり切ると、眼下に広がる広大な土地と、そこへ降り注ぐかのように滝が勢いよく流れ落ち、虹をつくっていた。水の源はさらに上流にあり、大きな城の一部から流れ出でているようだった。
キラキラした瞳で景色を見る
「お気に召されましたか? ここに広がる平野こそダルモアの国。さらに南に行くと大きな海が広がっております。我が主はこの国を、この民を取りまとめております」
「本当に素敵です。私もあちらに行ってみたいわ」
「そうですね、いつか実現する日がくると思いますよ」
そんなやりとりをしていると、どこからか
「おーーーーいっ!
すごい勢いで、ぴよぉ~んと滝の岩を渡り飛びながら人影らしき姿が、
「きゃっ」
驚く
「見ろよ。これなら父上も喜ぶんじゃないか?」
「
「あぁ、このくらいインパクトがないとな、父上はお喜びにならないだろ?」
「あ、あの…?」
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