第7話 人間界最後の夜
ここは人間界。
離れでの引き籠り生活を始めてから今日までの間、
「早いもので…いよいよ明日じゃな」
食事を一緒にしていた
「明日はどうすれば良いのですか? 今までお浄めはして来ましたけれど…何が変わったのか、わからないわ」
「明日のことは、お聞きしてなかったですね」
「言い伝えによると、
「そんな近くに…」
「毎年神さまへのお供え物やお祭りは、あの神社で行うじゃろ?」
「確かに! 初モノのお酒も池に奉納してますね」
うんうん、と
「そういえば…、
「まぁ、そうじゃな」
「どんなお話をされますの?」
「
「えっ?」
「お主は神の民になり、神の妃となるのだから。まずは神に仕えなさい。さすればお主も人間界に富をもたらすじゃろうて」
「
「さて、わしからの贈り物じゃ。神の国とはいえ邪悪なものもおる。これを肌身はなさず持っていると良かろう。きっとその邪悪なものからお主を守ってくれるはずじゃ」
皺が刻まれた手で
「綺麗~」
「腕に着けておくとよいじゃろう」
「
ブレスレットは、
そういえば…、離れに籠ってから
「さ、明日は長くなるぞ。今夜はゆっくり休むが良い。さぁ、
「かしこまりました」
「
* * *
てんてこ舞いな朝が始まった。
髪は白い花で飾り、
最後の仕上げに、紅を小指で唇に塗る。どこから見ても愛くるしい花嫁の誕生だ。
「お綺麗ですよ」
「あ、ありがとう。私ドキドキしてきたわ」
「大丈夫。きっと幸せが待っていますよ」
外では
「
「改まって…何を」
「私…」
離れの入り口がそっと開き、
「
「はい」
「お爺さま。行って参ります」
「うむ」
そう言うと
その後ろから村人たちが続くのだから、神社までの道のりは人で溢れかえっていた。
御輿は
「
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