第6話 雷狐の帰還
「
「おぉ、そうか。お前たち、下がって良いぞ」
その証拠に、自慢の尻尾がゆらゆら揺れていた。
「かしこまりました」
「
「早かったな」
「遅くなり、申し訳ございません」
「遅くはない。別に俺は気にしてなどおらん」
頭をあげろ、と無理に横になりながら、酒を飲もうとする
そんな
「その腕はどうした?」
「あ、ちょっと転びまして…。
「お前、怪我をしたのか?」
「えぇ、まぁ~ただの擦り傷です」
「大事にならなくて、よかったな」
「ありがとうございます。それにしても
ふん、と鼻をならし
「その娘、何と言ったかな?」
「
「あぁ~そうだったな。その、
そう、神の国の中でも記録係を務める
「さようでございますが…、ご興味おありですか?」
「お、俺はお前の怪我の具合をだな」
ふふ。と
「大丈夫ですよ。
どこからともなく現れた大きな盃に
そこに
どうやら
「
「我が記憶蘇りて、この水面に映したまえ」
すると不思議なことに、
「おぉ~これが人間界か」
「はい。とてもきれいな場所でございました」
映像は
「これで全てでございます。
「ふん」
「まぁまぁだな」
「きっと
「どうかな」
そう言い、
「俺は寝る」
「し、
「好きにしろ」
―― なんと!
「ははぁ! 承知いたしました。それでは盛大な宴の準備をいたしましょう」
そして扉の前で、何かを思い出したように振返った。
「
「承知いたしました」
パタンっと扉が閉まる音が聞こえ、広間には
「まったく…素直ではありませんな」
これから神の国は
もうすぐ、満月がやってくる。
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