第4話 雷狐との出会い
「うゎ〜かわいい! どうしたの? どこから来たの?」
さっきまで、自分が神の嫁になるなんて現実離れした話にモヤモヤしていたのが嘘のように、心がスーッと落ち着いていくのを感じていた。
月は三日月。月あかりを期待できない暗闇の中だというのに、
「あれ? 怪我をしているの?」
よく見ると
「おいで」
「くぅ〜ん」
「痛いよね。ちょっと我慢してね」
水が傷口に触れた時、一瞬
―― なんと心根の優しい娘さんじゃ。お顔立ちもお心も申し分ない。
「よし。傷は深くなさそうね。…ちょっと待ってね」
「ちょっとしみるかもしれないけど、我慢しようね」
ビリビリビリっ。
「これでよしっと。このお薬はすごいの。
「くぅ〜ん」
―― なんと痛みが引いてきましたぞ。人間も凄いモノを作るのですな!
「よしよし。もう危ないことをしちゃだめよ。間違って弓で撃たれたりしたら大変。命がいくつあっても足りないわ。気をつけて帰るのよ」
「くぅ〜ん」
「キャン」
「うん? どうしたの?」
「
―― きっと
「くぅ〜ん?」
「ごめんね。私、私ね」
――
いつの間にか
ひとしきり泣いた後、
「ありがとう。なんだか泣いてしまったら、スッキリしたわ」
「くぅ〜」
「そうだ! あなたにはお礼をしなくちゃね。これあげる」
そういうと
「ふにゃ?」
「うん、とっても似合ってる!」
「あは、大丈夫よ。とっても素敵だから。またいつかどこかで会えるといいわね」
そういうと、
「なんと心の綺麗なお方じゃ。我々もしっかりと姫をお迎えせねばなるまい」
その頃、
「
「そうですね」
側近の
その隣には団扇を優しく仰ぐもう一人の側近、
さて…
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