流血刀・丙

飛瀬川吉三郎

プロローグ刃魔走と闇深き神々


「さぁ、彼女を殺……」


池袋の黒いバンダナを腕に巻いた不良少女が何かを言おうとした瞬間、どうしようもない寒気を発した。



池袋のアウルタワーに住まう高等遊民ブルジョアが美少年、緋走、いや、の傍らには闇深き隠者ハーミットがいた。彼が闇の元素の塊、凝縮言霊と呼びれる廃れたをした。


「旧世界は旧世界、悪魔にループをする事を欲するのはループの悪魔ってのがいそうだな、これを永劫回帰と言ったな………」


ミクリトランテクートリに魔走は微笑んだ。


常軌を逸脱した展開だが、そもそも緋走は活人拳も活人剣も志す気は毛頭ないのだ。


「今のなんだ?」


と、寒気を発した彼女は言う。


違和感、寒気、そして、勘づく者。


「ふーむ、日本ってのは窮屈だ、死体がこんなにも少なくて殺伐していない、平和すぎる、あいつはこの国ではだなぁ、あいつにとっての楽園はメキシコだろう」


ジャガーが人間の形で二足歩行している。


池袋サンシャイン60階通りのビルの屋上。


「夜更かしをした方がいいだろう。なんだ、あのケツァルコアトルの化身みたいな女が母親とはなそりゃあ……まぁいいや、旧世界の事は旧世界、それよりも今を楽しもう」


その神の名前はアステカ神話の夜と月の神テスカトリポカ、アステカ神話とはメキシコにあった宗教である。


禊瀬白剣はにこやかに今日も街を歩く。


カラフルな様々な洋服を買って歩く。とても、鮮やかな茶髪にも染めているのだ。


「あーあ、やっぱり魔走になってしまったな。正しすぎたら陽極が陰になってしまうだろうよ、ゲームや漫画の中ならばいくらでも殺人を楽しんでいいし、プロム・ソフトウェアのデビルズソウルとかシェイドハートとかとても面白かったのにな、まぁR17だから、そんなに買う気は起こらなかったのかな、フフフフフフフハッハッハッハ!」


そんな狂った笑いを続ける者に刺客。


「………この腐れ元凶が!」


亜王堂婆娑羅は妖刀を振るった。


鉈のような重厚な四角く長い刀だ。


それをテスカトリポカがとことんまで長くした黒曜石のマチェーテで受け止める。


「これはこれで災禍って言うんだが、やっぱり、それを振るうお前が俺は好きだぜ?」


そして、瞬間的に数十回お互いを殺害するのを奇想して、五秒後には殺し合いを始めた。


「我が念願は孫の幸せ!旧世界で起きた不運など武運によって踏破して見せる!」














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流血刀・丙 飛瀬川吉三郎 @hisekawa

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