閑話 はじまり

「どこか退屈だね」


「ああ、退屈だ」


 そんな意見に賛同する者たち、彼らは様々なことを完璧にこなせてしまう。そんな完全なものたちは暇を持て余していた。


「何か楽しいことは無いかな?」


「何か楽しいことをしたいな?」


「僕たちじゃあ退屈だ」


「そうか僕たちだから退屈なのか」


「そしたらどうする?」


「僕たちじゃない者を造ろう」


「よいね、色々なものを造ろう」


「どんなものがいいかな」


「そうだ!欠点を造ろう。完全な僕たちは退屈だから」


「不完全なものを造ろう」


「不完全なものを造ろう」


「でも失敗したら?」


「失敗しないよ、僕たちは完全なんだから」


 そんな会話が続いていく。彼らしかいない世界で。

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