第5話

 簡単な挨拶を交わし、初日に面した三人が再び顔を揃えた。

 場所も初日と変わらずビルの最上階。豪華でシックな広々とした部屋のソファーに各々が座り、本日の予定が進み始めた。


「今日の用向きはラギ君、君自身について話を聞かせて貰いたいと思っている」


「俺自身?」


「そうだ。

『違う世界からの来訪者』。

 初日に話はある程度聞かせて貰っているウチとしては君を信じる。が、頭が石で出来てる上の阿呆共が居てね。戯言たわごと妄言だの散々な言い様だった」


「まあ…当たり前の反応、じゃないですか?俺が言うのもなんだけど…」


 ラギの反応に苦笑を浮かべる万理華と明日香であるが、現状そんな苦笑も許されないくらいには不味い状況であった。


「そう言って貰えるのはありがたいんだけど、このままじゃホント困った事になる」


「と、言うと?」


「今ラギ君に掛けられている疑惑は【男性保護法違反】と言うものだ」


「はぁ…」


【男性保護法】。


 簡潔に言うなれば文字通り『男性を保護する法律』である。

 命は勿論の事その精神に対しても適用されるものであり、男性の心身を保護し、守る法律である。


 この世界において【男性保護法】は厳守するべきものであり、これに違反した場合には最も重いとされる罰を下される。下手をすれば最も罪が重いとされているもう一つの【国家転覆罪】にも抵触しかねない重罪であり、問答無用の処刑もありうるのである。


 そんな明らかに女性から男性を守るために見える法律が、何故保護されるべき男性であるラギに違反の疑いが掛けられているのか?


 それはラギが発見された際の状況や場所が問題であった。


「嘘を報告しても良かったんだけどね。色々と辻褄合わせが間に合いそうなかったから正直に上申したらこうなってしまった。すまなかった…」


 頭を下げる万理華であったが、そんな万理華を見ても何故頭を下げているのかイマイチ理解しきれていないラギ。当たり前だが【男性保護法】なんてものはラギが元居た世界には存在しない。なので、反応も当然ながら鈍かった。


「イチから説明しよう。

 先ず発見された状況、場所。わかってはいたが、これがまずかった」


 万理華の説明が始まり、次第に少しだけではあるが状況のまずさを理解し始める。


 ラギが発見されたのは【特別危険地帯】に指定されている区域である。この区域に入るには必ず壁を超える必要があり、また見張り、見回りも存在している。

 しかし、調査の結果。壁を超えるための手続きなどされておらず、見張りや見回りからも目撃されていない。更に随所に設けられた監視カメラにも姿が映っていなかった。

 それはつまり『隠れて行動し、何らかの方法でもって壁を越えた』と判断された。


 そして、態々人目を避け、隠れて壁を越えた事のその理由が予想される。


 状況的に最も可能性の高いであろう理由は…


「『自殺志願者』と予想されてしまってね…」


「自殺…」


【特別危険地帯】は嘘や誇張で指定されている訳ではない。字面でわかる通り本当に命の危険があるからこその【特別危険地帯】なのである。


 そんな危険な場所に単身で居た事。

 それは複数の可能性の中の一つではあるが、そこには確かに『自殺』がある。男性が希少であり、世界の共通価値観としてある『男性は守られるべき』である事。これが自殺の疑いをより強めてしまっていた。


「勿論ラギ君の話をして自殺したかった訳じゃないと説明したんだけどね。罰を恐れて真実を話してないってのが『御上』の判断だ。今のところね」


「…あの、その御上?が言ってる事って矛盾してません?」


「ハハッ。まぁ、ラギ君からすればそう思うだろうね」


『自殺を志願』しているのにも関わらず、いざ事が露見した途端に『罰を恐れて嘘をついた』。別に自殺を考えているのなら罰を恐れる必要は無いだろう、というのがラギの意見である。


 しかし、ラギが男である事でこの世界では少し変わって来る。


「この世界の状況は昨日ヒイラギから聞いてると思うが、ざっくり言えば男が足りてないんだわ」


「それは聞きました」


「んじゃ、自殺したい男、この場合は【男性保護法】を違反した。【男性保護法】を違反したのが女性であれば、ほぼ問答無用で処刑されてしまう。が、男であったなら話は別だ。男を処刑するのはって言うのが、この世界の考え方なんだよ」


「んん!?」


 そう、勿体ないのである。


「え?じゃあ、俺がその【男性保護法】を違反しているって言われているのは自殺しようとしたから?」


 実際のラギはただ彷徨っていただけであり、【特別危険地帯】に居たのも本人の意思ではない。

 しかし、そんな超常現象はこの世界でも受け入れられる事ではなく、真実を隠す為のただの妄言と判断された。


「そんな勿体ないと判断された男が行き着く先は…」


「【牧場】、ですか…はぁ」


「そう。ヒイラギの言う通り。【人類繁栄人材収容所】、通称【牧場】行きが半分決定している」


「…?」


【人類繁栄人材収容所】。通称【牧場】。


 重犯罪を犯し、処刑が妥当だと判断された収容される場所である。


 牧場に行く経緯から見れば男性専用の刑務所の様に思えるが、少しだけ違う。


「簡単に言えばこの場所は男をして、女を妊娠させるために存在する公的機関だ」


「えっと、それが、罰?」


「ラギ君はどうも女に対して特別な感性を持っている様だからそう感じるだろうけど…この世界の男にとっては十二分に罰、だよ。

 この世界の男は総じて女に対して恐怖心を持ってる。社会的な地位、所謂権力を持っているのは女しか居ないし。一般人でしかない普通の女と比べても身体能力の面で劣る。金だって女性の方が…いや、より正確に言うならほぼ女性しか持っていない。男は基本不労だからね」


「俺としてはそれのどこが不満なのかわかりませんけど…」


 苦笑を漏らす万理華と明日香。

 徹底的にこの世界とは違う価値観を持つラギ。その為なのか、妙に色気が見え、また母性をくすぐられもする。二人から見たラギは異質であり異様。それと同時にどうしようもなく魅力的に映るのであった。


「でも、普通男の方が力は強くないですか?」


 唯一この世界の男の感情に賛同できない箇所を上げ、ラギは首を傾げる。


 ラギとしても普段から不摂生な生活をする男性と普段から体を鍛えている女性とを比べれば女性の方が力が強く、身体能力が高いとなるのは理解できる。しかし、普通は男の方が力が強く、身体能力が優れていると言うのがラギの認識であり、常識である。

 これは筋肉の付きやすさや骨格の違いから生まれる生物的な差。この世界であってもそれは変わらないだろう。


 そう予想してのラギの発言であったが、大きな間違いである。


「男も女も【異形】が発生するようになってから【覚醒】と言われる変化があったんだ」


「【覚醒】?」


「ああ。【覚醒】ってのは普通の人間には無い力を持つこと、だな。

 生後数か月で【覚醒】するんだが、覚醒後、男と女を比べると身体能力に明らかな差があるんだ」


「捕捉します。

【覚醒】とは特別な力に目覚める現象を指します。

【覚醒】には大きく分けて二種類あり、それぞれ【覚醒者】と【異能者】に分けられます。

【覚醒者】とは身体能力が著しく上昇した者を指し、【異能者】とは何かを操る事が出来る様になった者を指します」


 補足した明日香の説明にも含まれていないが、【覚醒者】ではなく【異能者】となった者も【覚醒者】ほどではないが、それでも女性と同じように【覚醒者】となった男性優れた身体能力を得る。しかも、【覚醒】は必ず起こる物であり、例外はない。

 つまり、今この世界に存在する女性すべてが、男性は絶対に身体能力面では敵わないのである。


「はぁ~…えっと、つまりこんな華奢な柊さんも万理華さんも成人男性よりも力が強い、と?」


「ああ」「ええ」


「信じられん…」


 普段不摂生な生活を続けているラギでも力では負けなさそうな見た目の明日香と万理華。幾分か万理華の方が肉付きが良い様に見える為、力は多少強そうには見えるが、負ける気はしないラギ。


 しかし、実際に成人男性と腕づもうでもさせれば結果は一目瞭然。

 どれだけ顔を赤く染め上げ踏ん張ろうとも、明日香も万理華も顔色一つ変えずに微動だにしないだろう。それどころか、男性は両手で明日香と万理華、それ以外の女性であっても指一本で難なく男性を下す事が出来るくらいには力の差は歴然なのである。


「さて、話を戻そう。

 そんな訳で今君は先程説明した施設に送られる事が半場決まってしまっている。ラギ君としては実際にその施設を見た訳でもないし、どんな場所かも想像は難しいだろう。だから、なのかラギ君的にはそう悪くない様に感じている様に見える」


「まぁ、そうですね」


 実際ラギは【牧場】に送られとしても苦痛は感じないだろうと思っている。

 色々と勝手が違い困る事はあっても、罰だと感じたり苦痛だと感じる事は想像できないでいた。


「ラギ君がそれでいいのならそうしてもいい…とは思うが、正直ウチとしてはそうしてほしくはない。【牧場】に送られるのはあくまでも犯罪者であるべきだと思う。

 だからウチとしては犯罪者でもないただ困っているだけのラギ君を【牧場】に送ると言うのは抵抗があるんだよ」


「私も同意見です」


「なる、ほど…」


【牧場】に送られるという事がどれだけの事かはイマイチ理解は出来ていないラギであったが、万理華が吐露した心情には納得がいく。

 要は『冤罪を作りたくない』『知人を劣悪な場所へ送りたくない』と言った人情だと言えるだろう。


「さて、現状の説明は以上だ。

 これから打開策を話していきたい」


「打開策…と言われても…」


 困る。


 というのがラギの率直な感想で、具体的な案などラギの頭には浮かんでこない。

 これまで犯罪とは無縁な生活して来たし、巻き込まれた事も無い。警察を見掛ける事はあっても話もしたことがない。

 経験が無いためどうしていいのかさっぱりなのである。


 そんなラギをおもんばかって…という訳でも無いのだが、万理華から提案がもたらされた。


「まず、こちらからの提案が3つある」


「え?3つもあるんですか?」


「ああ。まずは一つ目。

 君が持っている『すまほ』?だったか?それを提供してもらえないか?」


「提供…って言うのは返してもらえるんですか?」


「いや、恐らくは難しい。

 この世界にはない技術があるかどうか専門家に分解させて調べる事になる。それを元に組み立てて返す事は可能だとは思うが、中身が、な」


「あ~データが消える可能性がありますね…」


 ラギ自身スマホの仕組みについて明るくはない。

 しかし、スマホが何かしらの原因で壊れてしまった場合。修理に出した際にデータは消えてしまう事が多い。何故そうなるのかは理解していないが、仕組み上仕方のない事だとラギは思っている。


 専門家が扱って尚、データは消えてしまう。

 ならば、修理する訳ではないが今回触るのは専門家であって専門家ではない素人。データが消えてしまう可能性は十分に考えられる。


「次。聞いたところによると身体能力が男性にしては異常に高いと聞いている。少し弱い気もするがラギ君の身体能力のデータを計測して報告すればこの世界の男性ではないと判断される可能性はある」


「あ~、そう言えばめっちゃ体が軽いな…」


 運動したと言えるのは初日に走った事くらいであるが、その時の感覚を思い出して呟くラギ。

 初日以来このフロアに留まり続けて3日目。ただダラダラと生活していただけであり、その他にも考える事があった為すっかりと忘れていた。


「最後。ウチ的にはこれが一番のお勧めだ。

 妻を複数人娶る。今日中に」


「ふぁ!?」


 ラギにとっては一番あり得ない選択。しかし、万理華は事も何気に片手をプラプラと振りながら言葉を続ける。


「時間的には厳しく聞こえはするがな。な~に、すぐだすぐ。

 えり好みしなけりゃちょっと街に出て5分だ5分」


「んなばかな…」


「個人的には頷き辛いですが、その通りでしょうね」


「…」


 ラギにとってはまさかの明日香の賛同に、呆けるしかなくる。


「選ぶのはラギ君に任せるが、時間的には早く選んで欲しいのが本音だな。付け加えるなら、可能であれば今あげた3つすべてを実行してくれれば上を説得する際に助かる」


 3つの提案をそれぞれ吟味を始めるべく頭を動かし始めるラギ。頭の中では最後に提案された『妻を複数人娶る』と言う事で混乱をきたしていたが、無理やりにでも頭を働かせようと考えを続ける。


 先ず最初の『スマホを渡す』。

 これは現状最も簡単な事である。が、ラギとしては出来れば避けたい事だと考えに至る。

 元から写真などを取る習慣はなかったラギだが、それでも数枚程度は写真が保存されている。それを消す事は避けたかった。普段写真などを取らないにも関わらず残している画像。それはつまり大切な『思い出』なのである。

 『思い出』は当然ではあるが、これまであちらの世界で過ごしてきた確かな証拠として存在する。元の世界に未練と言えるモノは残念ながらラギのは無い。しかし、それでも手元に残しておきたい気持ちが強い。何よりそんな思い出よりも、自分に「薄情者なのか?」と問い掛けたくなる程にゲームのデータが消えるかもしれない事が頭に幾度となくちらつき、決断をしきれないでいた。


 二つ目の『身体能力テスト』。

 ラギにとってはこれが一番抵抗が無い。というよりもリスクがゼロと言っても過言ではない。

 体を動かす事は特別好きな事ではないが、嫌いな事とも言えないし、今現在の体の状況を自分自身が知れると言うメリットがある。

 リスクゼロであるにも関わらず見返りが約束されているのだから抵抗などあろうはずもなかった。


 最後の『妻を複数人娶る』。

 年頃の男としては喜んでスキップしながら賛成できる事ではある。しかし、抵抗があるのも事実。出会ってすぐに結婚というのも抵抗があるし、複数人と言うのにも抵抗がある。ラギの価値観的には関係を進めてお互いに信頼し合った結果、結婚するのが常識としてある夢見る男子であり、元々の法律で認められている結婚相手は一人。それに一人を強く愛するという事も大事だと思っている。

 そして、女性にがめつい態度をとる男性は基本的に嫌われるし、そんな嫌われる行動に気恥ずかしを感じもする。何よりもこの行動を実行する際に目の前の二人には確実に知られる事が気恥ずかしさに拍車をかけていた。


 しかしながら、女性に関してのこの心の動きはこの世界では摩訶不思議な動きである。

 この世界の男性は女性に対して基本的に恐怖を抱いている。そして嫌悪感も抱いている事も多い。つまり、である。スキップしたい気分になる筈も無い。気恥ずかしさや負い目を感じる様な考え、感情にはならないのである。結婚とは義務であり、仕方なくするもの。愛などあろうはずもないのが一般的な男性の常識である。


 そんな世界であるから例えラギがこの場で喜んで妻を娶る事に賛成しても、驚きはするが負の感情を抱く事はないだろう。逆に好印象を抱く可能性の方が高い。

 女性が抱く感情がラギの想像するそれとはまったく一致しない程にこの世界では男女間の問題は重大であり根強い。


「身体能力を調べるのは良いです。流石に解剖とか言われたら賛成できませんけど…」


「男に対してそんな物騒な事する訳ないだろ。ただただのテストだよテスト」


 苦笑を漏らす万理華の様子にホッと胸を撫で下すラギ。


「スマホを渡すのはちょっと気が進まないですね…」


「だろうな。着ていた服以外では唯一君が持っていた物だしな。抵抗があるのは当たり前だろう」


「思い出があるでしょうしね」


 納得する万理華と明日香の様子に再び胸を撫で下すラギだったが、次の提案の話が問題である。


 ラギとしては是非ともお願いしたいのが本心。健全な男の気持ちである。

 しかし、やはり気恥ずかしさ、そして負い目を感じ口ごもる事になった。


「妻を娶るのはやはり抵抗があるか?」


「えっと…抵抗と言うか、何と言うか…」


「嫌であるなら正直に言った方が良いですよ?ですが、その場合は『身体情報』だけでは手札としては弱いと思いますから、他の手を考える必要が出てきます。それには時間も必要ですから。今この場で返事した方が良いです」


 万理華からの質問に煮え切らない態度をとると明日香から追い打ちがかかる。

 ここで断るのは後々後悔しそうなラギ。これまでモテたためしがないラギにとっては、今本当に複数人も妻を娶れるのなら…と邪な考えが頭を過る。


「嫌、ではないんだけど…その、結婚ってそんな簡単に決めて良い事じゃないと言うかなんと言うか…それにそんな簡単に相手が見つかるとも思えないし…」


 先程までコミュ障とは無縁な口調で話していたはずのラギは、今ではつっかえつっかえ話す。コミュ障とまでは言えないまでも、明らかにコミュニケーションを苦手とする話し方でふわりとした感想を漏らした。


「…ん~?嫌じゃない、のか?」


「え?えっと、まあ、はい」


「例えばこのヒイラギとかどうだ?」


「「えぇえ!?」」


 嫌では無いと言うラギの言葉に不思議そうに首を傾げ、続けて爆弾を投げる万理華。驚きの声を同時に上げるラギと明日香だったが、その表情はそれぞれ別物であった。


 ラギは具体的な相手を、それも目の前に居る人物をいきなり挙げられた事への純粋な驚き。

 一方の明日香はと言えば、頬を朱に染め、これでもかと眼を見開いて驚いている。内心はぐちゃぐちゃであるが、一番の感情は…『喜び』である。


「やはり嫌そう…ではないな」


「えっと、嫌じゃない、です。けど、俺には勿体ないと言うかなんと言うか…」


「勿体ない??」


 ラギの返した感想に心底不思議そうに聞き返す万理華。この世界ではとてもではないが信じられない言葉が男性から聞こえて来た事に慌てていた明日香でさえ一時停止している。


「いや、だって俺って見た目も普通?だし。中身もとてもじゃないけど誇れるようなものじゃないんで…。それに、俺って今めちゃくちゃ怪しい奴だろうし…」


「釣り合わない、と?」


「はい」


「…」


 お互いの世界についてお互いが情報を得ていても、長年培ってきた価値観はそうそう変わらない。難航しそうな話だと感じる万理華は思わず眉間に皴を寄せるのであった。

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