第23話:衝撃の事実、確認

 第23話:衝撃の事実、確認


 今あたしたちは講習室に来てます。

 そこで冒険者ギルドのことや冒険者として覚えるべき基礎知識を聞きました。

 そこまで時間はかからなかったけど、学校の授業みたいでちょっと疲れちゃった……。


『冒険者ランクがG~A、S、SS。 Eで脱初心者、Cで一人前なのだ。 一番多いのがDで、Cに上がるのは一種の壁のようなものを超えないといけないと言われている、ということなのだ』


「んにゃんにゃー(なるほどなのー)」


「キュキュッキュ!(壁なんか壊せばいい!)」


『ここプロロギアはこの大陸の中心にあるから、大きい街の中継地として使われることもあるようなのだ。 王都プロローグはここから北に行った場所にあって、馬車で2日かかるのだ』


「にゃんにゃー(どこでもいけるなのー)」


「キュキュッ(ここが世界の中心か)」


『それから……』


 講習室に入れてもらえなかったユキさんとおもちくんにナビさんが講習中。

 あたしはそれとなく聞いてるけど、ちょっとだけ頭休ませてほしいかな~。



 ----


 :冒険者登録したら聞くんだよな

 :予習してると思えばいいだろ

 :僕勉強は苦手なんですよ~

 :ちょっと頭痛くなってきた……

 :お前ら……

 :まあまあ、冒険者になる気ない連中には良い知識共有になるだろ

 :周辺の地図しかなかったから、大陸の中心にあるって結構貴重な情報だぞ

 :王都プロローグだったっけ? そこ行けば大陸の地図見れるんかな

 :地図の精度によっては公開されてないかもな

 :超ざっくりした地図ならあるかもしれん、要調査だ



 ----


 視聴者さんも盛り上がってるなー。

 地図、地図かー……世界を旅するなら、あたしも持ってた方がいいよね?

 ん? 何かひっかかるな……なんだろう、なんかすっごいモヤモヤする……。

 うーん……大事なことを忘れてるような……うーーーーーん………………あっ!


「ナビさん!」


『うわっ! どうしたのだ?! 敵襲なのだ?!』


「敵じゃない敵じゃない、ここ街中だしギルドの中だから」


『そ、そうだったのだ。 それで、どうしたのだ?』


「冒険者の称号効果でスキル手に入れてたの忘れてたの! 旅の役に立つと思うから、説明お願いしたいなって!」


『なるほど、それは確認しないとダメなのだ。 さっそく始めるのだ!』


「えっとね、手に入ったスキルは【上級地図セット】っていうみたい」


『ふむ……ギルドで【周辺地図を”一般向けに”販売している】と言ってたのは、このためだったのだな。 変なひっかかりを感じていたのだが、納得したのだ』



 ----


 :うわー! そういうことか!

 :なんだよそれ! そんなのありかよ!

 :え? え? どういうこと?

 :なるほどな、よく考えられてる

 :わからん、どういうことなんだ?

 :冒険者になると地図機能が解放されるってことだよ

 :機能に頼らないで自分で地図を作って楽しみたい奴は冒険者にならなくてもいいと

 :地図なんてゲームで超絶必須だろ……こんなん分からんて!

 :テーマが旅だからって、こんな分かりづらいことするなって!

 :運営! さすがに意地悪がすぎるぞ!

 :阿鼻叫喚ねん

 :まあ気持ちはよくわかる、我々攻略組も地図にはかなり苦労してるからな

 :ただ冒険者の拘束力っていうデメリットもあるからな、遊び方次第だろ

 :こりゃ爆発的に旅人冒険者増えるな、間違いなく



 ----


 コメントが大変なことになってるけど、何か言うと荒れちゃいそうだ……。

 とりあえずスルーしつつ……。


「え、えっとセットの中身は【地図】【マッピング】【メモ】【マーカー】【アイコン】【フラッグ】【足跡追跡】ってなってるね」


『ふむふむ、普通の地図セットは【地図】【マッピング】【メモ】【マーカー】【アイコン】だけのようなのだ。 スキルがレベルアップすると上級になるのだ』



 ----


 〇上級地図セット

 ・地図

  視界内に地図を表示する

  歩いた場所のみ表示され、それ以外は黒く表示される

  パーティーメンバー、視認許可された者以外には見えない

  ただし配信には表示される


 ・地図:マッピング

  ダンジョン内をマッピングする

  通路や壁を自身で書き込むことがでダンジョンマップを作ることができる

  オートマッピング:2m毎に魔力を一定量消費する

  パーティーメンバー、視認許可された者以外には見えない

  ただし配信には表示される

  パーティーメンバーと内容を共有することができる


 ・地図:メモ

  地図やダンジョンマップの任意の場所にメモを残すことができる

  メモをタップで非表示にし、鉛筆マークをタップで表示に切り替えられる


 ・地図:マーカー

  生物が地図上にマーカーとして表示される

  大地人は白、旅人は灰、友好生物は青、敵対生物は赤、中立生物は黄

  大地人に限り、個人を識別する場合はメモでの記入が必要

  ただし隠密状態や非生物に擬態している場合は表示されない


 ・地図:アイコン

  地図やダンジョンマップにアイコンを表示する

  200種類以上のアイコンを好きな場所に配置し表示することができる

  アイコンにメモを残すことで詳細を書き記すことができる


 ・地図:フラッグ

  マーカーに旗を立てて目立たせる

  旅人にフラッグを立てた場合、相手に通知が届き拒否することが可能

  ただし隠密状態や非生物に擬態している場合は表示されない


 ・地図:足跡追跡

  自身とフラッグを付けた者の足跡を表示する

  表示する期間を分単位で指定でき、最大2日分表示することが可能



 ----


「ふむふむ、わっすごい! 街全体の地図が表示されてるね」


『ギルド依頼でさんざん駆け回ったから街全体が表示されてるのだ。 頑張った甲斐があったのだ』


「なるほど! あ、カマウィさんが表示されてる! ここは……カフェかな?」



 ----


 :あらバレちゃったわん♪

 :フレンド登録してる人は場所が分かるのか

 :こうして見るとプロロギアってそこそこ広いよな

 :あると便利だけど、俺見て回るのが楽しいだけだから悩むなぁ

 :まあそこは人それぞれだし、冒険者にならないからどうこうはないだろ



 ----


「この後料理が終わったら、ゴドロフさんとか仲の良い人のマーカーにメモ残しておかないとだね。 猫さんはこの小さいマーカーがそうなのかな?」


『そうなのだ。 猫というか、街から出ない動物は全てその表示なのだ』


「そかそか、じゃあ鍛冶工房の猫さんにもメモ残しておけば、すぐに会いに行けるね♪」


 こういう機能が追加されるなら、そのためだけに冒険者になるのもありだね。

 とりあえずどういうものか分かったし、今日のメインをやっちゃおうかな。


「冒険者としての本格的な活動は一旦置いて、料理やっちゃおうか!」


『うむ! 何を作るか楽しみなのだ!』


「にゃー?(つくるなのー?)」


「キュッ!(ごはんか!)」


「ふふふ♪ 簡単な料理しかやらないから、そんなに時間かからないと思うよ♪」


 ユキさんとおもちくんを撫でて、モフモフを堪能する。

 さてさて、楽しいごはんの時間のために一肌脱ぎますかね!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る