10-5
「白大蛇様……」
狐を飲み終えた白大蛇神は、私の方をチラリと見る。そして、直後に体が急に縮んでいった。
「白大蛇様!?」
何か良くない事が起こったのか? と思ってその場の全員がうろたえたのもほんの数秒。体の変化が終わり、そこに居たのは……
「え? …シャロ!? どうしてあなたが?」
「…なるほどな、お前が蛇神だったのかよ」
「左様だ」
「え、ええぇーーー!!!」
「ともかく傷の手当てだ。お嬢様、左腕を此方に」
「あ、はい」
未だ事態を受け入れられていない私の左手首を取って白大蛇神、もとい
「ちょ、ちょっとシャ…蛇神様!? …あれ? 痛くない」
みるみる内に左手首の切れ目が、完全とはいかないが塞がっていた。
「数秒だけ自然治癒能力を高めた。もう大事無いだろう」
「おーい、こっちの方が重傷なんだけど?」
未だに地面に座り込んだままのヴィゼルに、蛇龍珠は渋々唾液を指に付け、傷口に塗る。
「いてて、いってーなオイ! 扱い違い過ぎないか!?」
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