7-2


 その時、ミューリが川の方で何かに気づいた。


「どうした?」

「花様に近づく者が居ます」

「ったく、だからもう少し警戒しろっての!」


 とにかく近づかなくては、そう思い走り出した矢先、百メートル程走った所で集音器のような形を取ったミューリが


「あ…」

「今度はなんだよ! ハナは無事か!?」

「お互い敵対してはいないようです」

「なんで言い切れる!? 油断させて襲うかもしれないだろうが!」

「抱き合っています」


 ガッ! ゴロゴロゴロゴロ


 木の根に足を引っ掛けて派手に転んでしまった。


「大丈夫ですか?」

「デ…【盲人の道案内デスディレクション】。俺自身の運動エネルギーを"後ろ向き"に回して相殺した。それより、相手は何者だ?」

「会話までは聞き取れません。とても親しい間柄のようですが。あ、ちなみに男です」

「聞いてねぇよ!」


 今聞こうか一瞬迷ったけどな!

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