第5話
「神、お目覚めですか」
目を開くとそこには長髪の男がいた。
「…………俺、生きてる…のか。なんで?」
「私が救いだしました。蘇生の成功率は五分でしたが、うまくいって何よりです」
長髪の男は笑みを浮かべて俺に語りかけてきた。
場所も彼の正体も心当たりがないのに、俺を助けたことに不信感が募る。
「なんで俺を助けてくれた?貴方とは面識は無いハズだが」
「申し遅れました私は魔法教団エクリプスの教祖、アレン•ノアでございます。助けた理由は当然、あなたが我々にとっては神であるからです」
俺はどうやら奴らにとって神であるらしい。唐突にそう言われても訳が分からない。
それにエクリプスといえば最近出来たばかりの過激派宗教だと聞いたこともある。そんな奴らに崇拝されても何も嬉しいはずがなかった。
しかし、自分の命を助けられたのも事実だ。
「……まあ、ありがとう。助けてもらったから俺に出来ることなら何か手伝うぞ」
「……!なんと、神が下々の我々に感謝し、その上施しまで与えてくださるとは!!このアレン、感無量でございます」
そう言うとアレンは地面に何度も頭を叩きつけ始める。次第に額には血が流れ、白い床には血の跡が付いた。
「もう分かったから!もう止めて」
俺がそう言うとすぐさまやめて彼はまっすぐに俺へと向いた。
彼の行動でこの宗教の異常性が垣間見えたような気がした。
「落ち着いて、俺が何をすれば良いかを教えて」
「はい。単刀直入に言わせていただきます、貴方様を教団のシンボルとして掲げさせていただきたいのです」
現代の魔法使い ポワワ @ka3327ufe56
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