第4話
俺の命ももうじき終わる。
エクシスでもラッセルさん達にも俺は助けられて生かしてもらったのに、ここで俺は死ぬ。
そうだ。復讐を優先したがために俺自身が彼らの死を無駄にしたんだ。何と恩知らずなことか。
今さらになってこんなことに気づいた俺は意識を失う寸前まで激しく後悔した。
男は笑みを浮かべていた。
『エクシス最後の生き残り』そいつは我々の前で銃弾に倒れた。上層部に報告すれば間違いなく大幅な昇進が望める。エリート部隊にも入れるかもしれない。
すでに頭の中はそんなことで一杯だった。
「隊長、隊長!!」
想像を膨らませていた男はその声で一気に現実へと引き戻された。もう目的は達成してやることはないはずだ。それなのに必死で自分を呼ぶ声に苛立ちを覚えた。
しかし、その苛立ちはすぐに消え失せることになる。数メートル先にフードの男が立っていたのだ。
「我らが神のために」
フードの男はその一言だけ言うと魔法使いを抱えた。
「なっ、こいつを持っていかれるわけにはいかん。奴を撃て!」
隊員に発砲許可を出し、遺体を奪還せんとする。
もちろん遺体を上層部に差し出さないと自分の昇進の話がなくなってしまう。
しかし、男が感じている不安の大部分は奴のフードに刻まれているマークにあった。もし見間違いでなければ不味いことになる。
「隊長、奴は何なんですか!?全く弾が当たりません」
フードの男は人間離れした身のこなしで銃弾を避けている。
「では、また会いましょう」
そう言ってフードの男は瞬く間に遠くへといってしまった。
男は部下にこう伝える。
「魔法使いは生きている。監視カメラに顔が映っているか急いで確認しろ。映っているならやつを国内で指名手配するんだ!!!」
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