第2話

 「あの、本当によろしかったのでしょうか?魔法使いを匿っていた疑いがあるとは言え、小さな町でしたしのように消すことも……」

 部下の男が恐る恐る聞くと上司は呆れたような口調で話す。

 「可能性であればそれは消さなければならないのだ。でなければこの世界の向かう未来はだぞ」

 「……ですね。愚問でした、申し訳ありません」

 敬礼をすると部下は扉の先へと戻っていった。

 その後、上司の男はどこかに連絡をいれた。

 





 町から出た後、俺はとある街に行き着いた。

 そこはのどかだったあの町とは違い、完全に都市化され機械が至るところにいた。

 正直な話、機械を嫌悪している訳ではないが俺の故郷を潰しといてのうのうと生きているには吐き気がする。

 「あの、大丈夫ですか?立てます?」

 座っていた俺に1人の少女が話しかけてきた。走り続けていたからか身体に力が入らない。ふらふらとしていると彼女は俺の身体を支え、家へと運んだ。

 「……なぜ、見ず知らずの俺を助ける?」

 「困った人がいるなら助けるのは当然でしょう」

 彼女はそう言って笑うと俺にコーヒーを渡す。

 2人でコーヒーを飲んでいる途中、ついていたテレビからあるニュースが流れてきた。

 『先日、魔法使いがとある町に現れました。その影響からか町は破壊されており、住民20人全員が遺体となって発見されました』

 目を疑った。

 そこにはあの町が映っており、焼けた木材や窓の破片などの瓦礫が散らばっていた。

 それにあそこにいたみんなも死んだ。きっとあいつらだ。黒服が言っていたがみんなを……

 

 「助けてもらった上にこんなことを頼むのは申し訳ない。でも頼みがある」

  国軍への込み上げる怒りを押さえて、俺は彼女に言う。

 「軍の基地へ案内してほしい!」

 



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