第7話

あたまのなかで突然スイッチがはいったみたいに、「ばちん」という音がしたきがした。


イスにいたのに、どうしてベッドなんだろう。


からだがおさえつけられててうごかなくてすこしむねのあたりがずきずきする。


「あ、おっはよールアくん。やー、ごめんね。朝飯食いながら遠隔えんかくでイジメてたらルアくん脈止まっちゃってさぁ~。貞操帯ていそうたい外したのが良くなかったなぁ~、テクノブレイクだったんだねあれ。」


一度死んだことをなんでもない事のように告げるが、ランの声色は変わらない。ルアもまた意識が覚醒したばかりで朦朧としているのか、それとも“犬”になりかけているのか、ただただ視界の中の“ごしゅじんさま”を見つめ、尻尾を振って黙ったままだ。


ランさまのこえ。いしきがぼんやりしてはなしてることはよくわかんないけど、またきもちいことしてくれるのかな。


「ランさまおはようございますっ」


「おはよ。ちょっと記憶混濁きおくこんだくしてるかな?心臓マッサージした時強めに押したけど、骨は折れてなさそうだね。」


ランがルアの胸の辺りを触診しょくしんする。


「あうっ…///」


ふうん、といったランさまがからだをゆびでなぞっていく。ぼくはもうされるがままにまかせる。


あしのゆび、つけね、おしり、あばら、くちのなか、みみをさわさわとゆびでなでられるのがきもちいい。


はやく、ちんちんもさわってほしいのに、ランさまはそこだけずっとさわってくれなくて、こしをもちあげてふってるのに、さわってくれない。


すごくかおがわらってるのはいじわるだけど、ランさまがこのかおをするときはぜったいにきもちいいがくるからそれでもまてをしてなきゃっ。


そういえばしぬ?しぬってなんだろう。


まいにちしんじゃうくらいきもちいいですっ。


ずっと!きもちいっ!


おなかの下のところをランさまがきゅっとおすと、からだがきゅんきゅんしちゃってくるしい。


「息吹き返したばっかりでそんなに元気なら今日もいじめてあげてもいいけど、心の方はほぼ仕上がってるっぽいしなぁ、うーん。」


ランさまがなやんでる。してくれないのかな。


『殺しちゃだめだよぉ?』


ルアくんかわいいとこあるからイジメてたら言われたそばから心臓止めちゃったしなぁ…どうしよっかなぁ。


「ランっ…さまっ…」


しっかし、鼻からぴいぴいと甘えた声を出すようになったね、この子も。


これからどんな目に合うのかも知らないで、健気なもんだよホント。


ランさまがおなかを指でとんとんしてる。


なやんでるのかな。


ぼくはだいじょうぶですっ。


しっぽとおなかをふってアピールしなきゃ。



“商品”としてしか見られていないことを気づかないルアは舌を見せながら目の潤んだ笑顔で服従ふくじゅうのポーズを続ける。




「というかルアくん、でられてるだけじゃイがなくなっちゃったね。ちょっと薬の効き目弱くなってきたかな?体が慣れたのかぁ。」


いいこいいこってあたまをなでなでしてくれた。こぼうびくれるかな。


「ブンちゃんにもやり過ぎだって言われたしなぁ…うーん…よし決めた。今日はお風呂入ろっか。」


_______



ひろくてまるい、むらさきのおふろでランさまにだっこされながらはいっている。


おひめさまだっこされるのははじめて。


ランさまにひろわれるまでは…


…までは?あれ?



「ラブホの入浴剤ってなんか変にヌルヌルしてるよねぇ~。ってまだルアくんの歳じゃ入ったことないか、ハハ。どうよ、2日ぶりのお風呂。」


「はい。きもちいです。」


ランさまのおおきいからだにだっこされているとふわふわういてるおけけがきもちいい。


「ま、ずっとイキっぱなしだったから体ガチガチだろうし、たまには休ませてほぐさないとね。というか、ルアくんちょっと可愛くなったよね?」


かわいい?


「あっ//」


ランさまがぼくのからだをゆっくりなぞる。


せなかとおしりがなぞられただけでぞくぞくして、ちんちんがぴくぴくしはじめる。


「顔とかおしりがのフォルムが丸っこくなったし、毛もふんわりしたねぇ。体の筋肉もやわらかいから女の子に近くなったかな?精神的にメス化が進んだのと、イキ散らしたせいかな?」


事実、野良犬同然のように不健康な食事や生活習慣のせいで筋張すじばって毛並みもガサついたルアの身体は丸みをやや帯びた、ふっくらとした物に変わり始めていた。


「かわいい?ぼく、かわいいですか?」


「うん!すげぇ可愛くなったよ。女性ホルモン出てるからかな?ちんちんも小っさくなってかわいいしね。変態のオッサン達に渡すのは勿体ない。そうねぇ、逃がしてはあげらんないけど一個くらいおねだり聞いてあげてもいいよ。」


ランさまのおっきいうでにだきしめられて、なでられる。


ぼくがかわいい。かわいいっていわれることが、ランさまにそうみてもらえることがうれしい。


ランさまの、メスになりたい。


「あの…」


「ん?明日も休みとかでもいいよ?」


「ランさまと、えっちしてみたいです…」


「…へぇ。」


________


ピピピピ。


ピピピ。


起床アラームの電子音。


結局入浴の後食事を取らされたルアはその日、寝かされただけで終わった。


ランに隣で寝てほしい、とルアが告げるとランは少しだけ考えた後、ルアの枕を取り上げたかと思うと頭に自分の腕を差し込んで枕にして優しくお腹をさする。


さっき起きたばかりなのに、と思い込んでいたルアはまだ体に疲れが残っていたのか、優しく触れられることに安心したのかまた眠ってしまった。


_______


ガタガタと揺れる電車の車ないで、顔のみえない大人の手を取り、ぼくの隣にいた女のこがすごく大きな声で怒鳴り声をだした。


「~~~%&#(-…)!!!」


女の子はうでを掴まれて、顔のみえない大人のひとのかたまりの中に悲めいを上げながらのみこまれていく。


大人たちは僕をかこんで、座りこむぼくにズボンのチャックをおしつけて、ランさまにだけしたいのにぼくは、なにをしたらいいのかが分かっていて口をあけてちんちんのところに_____


_______


…………………!


…なんだかこわいけど、どきどきするゆめみたな。



…?あれ?ランさま、どこだろ。


ガチャリと部屋の扉が開いてそこには食事とバッグを持ってきたランが立っていた。


「ランさま、おはようございます。」


「おはよぉ。今日はお茶漬けね。」


朝食をとり終えて、ぼんやりとテレビのニュースを見る。ただ、目を滑らせるだけで内容を理解しているわけではない。


ここ最近のルアは、ランに対して逆らうことはなくなり、もう拘束こうそくすら必要なくなっていた。


自分を拉致らちして陵辱りょうじょくした男に対して情がいてしまう典型的なストックホルム症候群なのだが、本人はそれに気づいていない。


「美味そうだなぁ、胡麻ごまソフトサンド。」


ニュースではトーキョーのスイーツ事情やオープンした娯楽施設のトピックが流れているだけでコウベの中学生グループが失踪したことなど話題にもならない。


もっとも、今のルアが自分と一緒にいる存在を考えた時、思い浮かぶのはランだけなのだが。


テレビの電源を切ってランが立ち上がる。


「そろそろはじめよっか。」




_____



ふくをぬがされると、ランさまがキスしてくれた。うれしくてすいつくと、ゆっくりとべろをいれてくれる。


「んっ…/ちゅ…は…//れろ…ちゅぅ///」


あたまをなでられながらキスされる。ランさまはぼくをかんたんにもちあげたあとじぶんにすわらせてまたキスしてくれる。


自分の胡座あぐらにルアを抱きかかえるように座らせたランが、優しく舌を絡めながら指で背中をなぞっていくと、それだけで腹に固くなったルアのペニスが当たった。


「触って欲しい?」


「はいっ、おねがいっします!」


ルアを座らせる位置を部屋にある姿見にはっきり映るよう入れ替えて、小さくぷっくりと膨らんだ亀頭にほんの少しだけ触れながら耳元でランが囁く。


「鏡で自分の顔見てみなよルアくん。オレのこと好きになってバカになっちゃってる自分の顔。胸も、腕も、足も全部女の子みたいにやわらかくなっちゃってさ。女の子になっちゃいたいの?ルアくんは。」


ランがルアの耳に舌を入れてぐちょりぐちょりと舐め始める。


ぐちょり。ちゅぱり。


これっだめっ。おとが。あたまにひびくっ///


ちゅぱっ。ちゅっ。ちゅ。


「言ってみ?ルアくんはどうなりたいか。」


「っさまのっ!」



「ランさまの、メスにしてほしいですっ。」


すきっ。ランさまがっ。いっちゃった。ランさまにすきって。あっいくっ、イくっ。イクッ……




「はいダメー。残念、不合格。」


イってしまわないように“調節”されながらいじられていたペニスからあっさり手を離される。


「えっ…?」


「いやぁ、ね。そんな気はしてたんだけどさぁ。俺の事好きになっちゃってたかぁ。まあ、心が壊れないようにする方法としてはあるあるか。けどごめんね、ルアくんが本当に服従ふくじゅうしなきゃいけないのは俺じゃないんだわ。」


ランがどこからか取り出したスマホをルアに見せつける。


画面には自分と同じくらいの歳のメスのプードルがランとは比べたくもならない程、みにくく太った中年のオス柴犬や、60代ほどのドーベルに交互に犯され、悲鳴混じりの嬌声きょうせいを上げていた。


なに、これ。どうしてランさまはこんなのをみせるの?


「調教が気持ちよすぎて忘れてたかな?ルアくんはね、あくまで売りに出す“商品”。動画の彼女みたくあぶらぎったくっせぇおっさん相手でも喜ばなきゃダメなんだよね。」


やだ。やだっ。


「いったのにっ!」


「んー?」


ランの口調は出会った時から何も変わらない。にこやかでおちゃらけているが、それ以上もそれ以下もない。


「きのう、いってたのに!おっさんに!わたしたくないって!」


「言ったかな?ああ、ルア君が思ったより可愛くなったから、500万万ぽっちじゃなくて“もっと高く売れるな”って思っただけ。変な期待させたならごめんね~?」


やだ。やだ。こわい。


おかされたくない。


ないのに、ちんちんがかたくなってとまらない。


「ちゃーんと認識は改めてあげるから安心しなって。チンポのことだけ考えてヨガることができるように戻してあげるからさ。」


そう言って、ランはずぶ、ずぶとルアの中にペニスを入れていく。


「やだっ!やだっ!ランさま、すきっていってよぉ!あ”っ♡」


ルアを背面騎乗はいめんきじょうの体位にして膝裏ひざうらを持ち上げ、絶対に逃げられない状態にしてから小さな体をオナホールのように動かす。


昨日入れられたバイブとは比にならないランの熱く太いペニスがルアの中をゴリゴリと暴れる。突き入れられると快楽の波が脳に叩きつけられて、引き抜かれる時は波が引くように降りてくる。


「あ”っ♡う♡ん”っっ♡ランさま”っきもぢ”いっ!」


容赦ないピストンの快楽が否定を告げる。


「ちがうでしょ?ルアくんを気持ちよくしてくれてるのは俺のなに?」


「ランさま”のっ”♡ちんっぽっ”♡ですっ♡」


「きもちいいのは何?」


「ちんぽでずっ♡」


「ルア君のご主人様は?」


「っ♡やっ♡」


「言わなきゃ止めちゃうよ?」


「ちんぽっ!♡ちんちんがごしゅじんさまでしゅっ!♡」


「よぉく言えたねぇ、偉いよォ。そんじゃあ、よりり込めるようにそろそろ本番、純度100パーのリキッド打っちゃおっか。」


首にチクリ、とした感触。


激しいピストン。


やがてルアの熱くなり始める体と同時に絶頂感が高まる。


「それじゃ、チンポのことだけ考えられるようにおクスリキメキメでブチ犯すから頑張ってねぇ~」


「ん”ぅ~っ♡♡ぁあ”っ♡イ”っく”♡」


前日かららされ続けたルアはもたらされた絶頂の快楽に飲まれ、突かれる度に射精を繰り返す。だらしなく舌を出して笑いながらあえぐルアは、早くも“リキッド”の効果が出はじめた。

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