創作論のお話

6.私のテキトーな創作論①~インスピレーション~


 今日から私が創作をするにあたって、実際、どういうふうに小説を描いているの? というテキトーな創作論を述べたいと思います。


 あくまで、個人的な創作の仕方です。

「ふーん、人それぞれこんな創作方法があるんだなー」と、隣の家の芝生は雑草ばかり生えてるな的な目でご覧ください。ごくたまに、美味しそうなトマトが実っていることもあるかもしれませんよ。




◇◇◇




「それたぶん、新しいアイデアが喉から出かかってますよ!」



 とてもいい創作に触れることで、心が刺激されて、妙にざわざわと胸騒ぎがする瞬間はないでしょうか?



 いい小説。

 いい絵。

 いい音楽。

 いい映画。

 いい漫画。

 いい演劇。

 いい写真。

 いい芸術。

 いい風景。

 いい香りの花。

 美味な料理。



 創作の表現方法は古今東西、様々なものがあります。

 その目に飛び込んでくる美麗な色遣いのイラスト、鼻へ漂ってくるかぐわしいバラの香り、舌の上で溢れるとろけるような甘い生クリームの味、耳をくすぐる綺麗な繊細な音楽、その指で触れる肉体の柔らかな曲線美――。



 どんな表現方法であれ、この世界には素晴らしい創作があふれていて、あなたのその5つの感覚を研ぎ澄まして吸収する新たな栄養は、あなたの背を伸ばす糧となるか、お腹を下す劇薬となるか、それはかみ砕いて飲み干してみないとわかりません。



 何事も、創作するにあたっては、最初の『インスピレーション』が重要です。





「さてさて。今日はどんな色どりの素材を使って、料理をしてやろうか」


 真っ白なコック帽をかぶり、清潔な腕をまくり、ひとたび包丁を握れば、ランク☆☆☆☆☆の有名店のシェフだって、産地直送の新鮮な材料がなければ、美味しい料理はお客様に提供できません。





 そう、要はインプット。初めに行うべきは、仕入れです。





 私はカフェ巡りが大好きで、休日ともなると、ふらふら~っと地下鉄に飛び乗って、ちょっと遠くのおしゃれカフェを探す旅に出ます。

「行きつけのカフェ」なんかも発掘して、美味しいドリップコーヒーを片手に、お気に入りのブックカバーに包まれたエッセイ本や文庫本をゆっくり眺めています。時折、さくさく生地の重厚なアップルパイを挟みながらね。


 その際、個展ありのカフェを選んで、顔も知らぬ創作者様が描いた絵画を眺めたりすることが大好きです。これが結構楽しいです。

 一人で旅行なんかをすると、旅先そういうカフェが結構多くて、作者様とお話しする機会も多々あります。


 コミュ障な私は、「いい絵ですね」と思考が止まったような感想しか口から出てきませんが、小説以外の創作に触れることはかなりいい刺激になるのです。


 こういう個展を行っている場所では、絵葉書なんかも売っていることがありますので、お気に入りの絵があったら、気軽に切れ端を持ち帰ることも可です。





 こんな感じで、私は主に視覚から物語のヒントを得ることが多いです。どんな一枚絵だって、そこには作者様が込めた世界観というものが必ず存在します。私はよその世界をのぞき込んでは窓を開け放ち、私の世界へ新鮮な空気を引っ張りこみ、閉塞して淀んだ空気を入れ替えるのです。


 旅は最高のインプットの時間だと思っています。その土地の空気感を実際に肌で感じることは、創作する上で最大の刺激となります。離島なんかに行った日には、もうそれだけで1つの長編小説を書き上げることができます。


 私は音楽を聴くことが大好きなので、好きなアーティストのライブを旅先で聴くとか、最高を飛び越して、天国へ登る心地です。





 人によって、創作ネタの仕入れ方法は様々でしょうが、他にもいろいろな方法があると思います。



 新聞の隅っこに書いてあるようなコラムをじっくり読む。地域の情報や他分野のニュースを積極的に読むことで、新しい視野が開けますね。

 地下鉄に乗って、誰かの仕草を観察してみる。人物描写を行う際に、細かな表現ができるようになりますね。見つめすぎはほどほどに。

 街角の古書店へ立ち寄って、お酒が飲めないけれどウイスキーの歴史本を手に取ってみる。ウイスキーのうんちくが語れる主人公の出来上がり。




 今はパソコン一つで、どこへでも行ける時代です。



 創作をするにあたって重要なことは、とにかく「自分が知らない未知なる世界を開拓」せよ。これに尽きるなぁと私は常々考えているのです。




 そう。創作者と言うものは、未開の地を行く探検家。

 ネタを仕入れてインスピレーションを得るためには、とことん知識に貪欲となるのです。




 さぁ、あなたの足元にも、創作の深いふかい沼があちこちに広がっていますよー。

 恐れずに、足を一歩踏み出して、一緒に溺れていきましょう。ごぼごぼごぼ。






 このテキトーな創作論は、ネタがある限り続きます。

 次回、「タイトルのつけ方」を語ります。




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