5.私の頭の中には、小人が住んでいる④


「気づいたの

 あなたがこんなに胸の中にいること

 愛してる

 まさかね

 そんなこと言えない」

『長い間/kiroro』より引用



 皆さんは、自分が生まれる前とか、物心つく前の音楽を聴いたりしますか?

 私は昔の歌を発掘したり、まだ見ぬ(聴かぬ)バンドの音楽を発掘することが大好きです。


 最近、元祖ピアノヴォーカルユニット、Kiroroの曲を聞いて、ストレートに涙を流しています。


 この曲は、大学受験の頃も聞いていました。

 名曲はいつの時代でも色褪せないものですね。




 さて。大学受験。

 あの頃を振り返っても、なんか勉強していたって記憶があまりないのですよね。ひたすらに勉強していたのかもしれないけれど、そもそも勉強が苦痛って思っていなかったので、記憶に残っていないのかもしれません。今でも何かを学ぶということは好きで、知らない知識を吸収するって特に抵抗がないです。


 私が志望していた大学の二次試験は、片手に小説、片手に過去問開いて望んでいたことだけを覚えています。あと、当日はめっちゃ吹雪いていました。北海道は3月でも肌を突き刺すような雪が降り注ぎます。でも、無事に合格しましたよ!


 大学は、北海道のとある場所へ行き、独り暮らしを始めました。大したところではございませんが、それなりのキャンパスライフは謳歌していました。



 大学生になったら、あれもしたい、これもしたいと心が既にウキウキしていたのを覚えています。


 大学では英語の他に、外国語を学べるらしいと聞いて、無駄にフランス語を勉強したいと思い、本屋でフランス語の本を買ったりもしていました。とにかく、希望に満ち溢れていました。







 ところで、ここからまじめな話になります。





 皆さんはどういうことをテーマに小説を書いていますか?

「何のために小説を書くか」ではなく、「小説を通じて何を伝えたいか」です。



 私が描く小説のコンセプトは、『若者の成長』です。



 例えば、誰かが書いた小説を読んで「自分もこの主人公みたいになりたい!」と思うことはありませんか?



 私はよく思いますし、本屋に積み重ねられている自己啓発本にも「自分を変える方法」というキーワードを探せば、いくらでも見つかる時代です。

 ただ、自己啓発本を否定するわけではありませんが、きれいな言葉が並べられただけでは、心に響いても、自分でなにも考えないことが多いです。要するに、「行動した気になっているだけ」にすぎないと私は思うのです。



 人と言うものは、「経験して、自分の頭で考えて、知識、知恵となり、成長する」と考えています。



 だから、私が小説を書く意義は、まさにそれを意識して散りばめるようにしていて、自分の知恵を出し惜しみせず、誰かに伝えたいなと思い、物語を「描いて」います。文章を「書く」だけではないのです。世界を「描く」のです。


 自分も含めて、これから未来を担っていく人たちのために、私はこれからも物語を通じてメッセージを送り続けたいなぁと思っています。だからこそ、物語を読んだ人がしっかりと世界と向き合い、正しい情報を得て、自分自信を成長させてほしいのです。


 綺麗事と思えるかもしれませんが、今の社会に必要なのは、まさに自分の成長――自己に対する投資だと、私は考えているのです。巷でよく言われている『自己責任』なんてものではありませんよ。




 既存の価値観を壊すことが出来るか。それによって、新たな価値観を植え付けることが出来るか。

 これからの世の中は、この言葉に尽きると思っています。





 だから、これからもたくさんの物語を、私は作ります。



 頑張れ! 私の頭の中の小人!



 小人の話、終わり!



 月瀬澪。



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