第25話
「……その道具から、とてつもない チカラ を感じる」
ニゲルさんが、驚いていた。
「ほぉ、あんさん。なかなか、お目が高いでんな」
そう言って、ラストンの顔がぐにゃり…、いや。違うな。
時代劇に出てくる悪代官のような笑顔を向けた。
「くッ! なんと面妖な。これが東洋の魔法。妖術というヤツなのか? 気をつけるんだ、聖女様!」
―とは、言われたものの。
あれは明らかに カメラ と コショウの瓶だ。
そして、この顔は……?
「落ち着いてください、ニゲルさん! アレは。ただ、笑っているだけです!」
「ば、バカなッ!」
驚く、ニゲルさん。
「なんや、あんさんら! 失礼にもほどがあるで!」
逆に 驚く、ラストン。
「まぁまぁ、皆さん。落ち着いてください。」
そして、どんな困難にも平然と立ち向かう、ギールさん。
(あ、いや違ったわ。このナレーション)
「どうやら、文化間で誤解があるようなので、先ずは、僕らも人の姿を取ろうと思います」
「せやな。先ずは、コレや!」
ラストンは『擬人カメラ』をギールさんに向けた。
「ポチっとな」
シャッターボタンを押して、フラッシュをたく。
――すると、見るみるうちに 河童の姿から 人間の姿へ と 変化していった。
(よし。だいたい想像していた通りの姿だ)
我が
ドヤ顔の私。
イヌカがいたならば、きっと褒めてくれただろう。ふっふっふ。
◇ つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます