第23話

「ほな、これも聖女はんに渡しておこか」


赤色のガチャ容器と黄色のガチャ容器を私の手のひらに置いた。



――いや。


よく見るとクリップがある。

どうやら、髪留めクリップのようだ。


私はそれを使って、髪の毛を ツインテールに まとめる。



そして、ギールさんから手首に装着するタイプの『歩数計』を渡された。


日本では万歩計(マンポケ)としても広く呼ばれているが、万歩計は山佐時計計器株式会社の登録商標だ。

著作権法に抵触し兼ねないので、ここでは『歩数ウォッチ』もしくは、『妖怪◯ォッチ』とでも呼んでおこう。


(でも、まぁ。ここは異世界だから『変身ウォッチ』でいっか)



私は、それを腕に装着した。


「あの。これは、どうやって使うんですか?」


「では、これより『スマートペドメーター』の使い方をご説明します」

「え?」聞きなれない言葉に戸惑ってしまう。


「少し長かったですか。では、商標名の『スマード』で統一しましょう」



・・・・・・どうやら、『変身ウォッチ』ではいけないようだな。



「それで、お願いします」


だが私は、試作品じゃなったのかよ、と心の中で突っ込んでみます。



「このスマードは、契約した幽霊と思念で会話ができるようになります。さらに、凄い機能としまして。いま捕らえたイヌカさん達に憑依して戦ってもらえたりもします。ですので、万が一にも戦闘になったときは、迷わずにこちらのボタンを押してください」


ギールさんは、スマードの画面の横にある2つあるボタンを指差した。


「ただし、押すときは、名前を叫んでから押してください。どちらを選んだかが読者に分かりづらいので。それと、10,000歩溜まれば、3分間だけ身体を貸すことができますが、溜まっていないと身体を貸せませんので、注意してください」


二コリ、と笑うギールさん。


(いやいや。イヌカしか名前分からないんですけど! よし、絶対に押さないでおこう)



◇ つづく

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