第18話

「あんさん、ホンマに犬かいな?」


恐ろし気なことを平気な顔でいうイヌカが気になり、ラストンが疑問を口にした。



「失礼な! 僕は こう見えて、立派な『賢者』なのですよ!」イヌカ、吠える。



「ほなら、『バリオン』ちゅうんわ、なんでっか?」



「それは知覚できる物質のことです。僕たちが、魔法をつかえるのも この物質のおかげです」

「ほぉ、こりゃホンマもんや」



(ダメだ。こいつらの会話が、まったく分からん。でも、聖女じゃないというのだけは、バレちゃいけない気がする)


私は、全力で逃げ出そうと、軽く準備体操をしてから、クラウチングスタートのポーズをとる。



「ひょっとしたら、3年前・・・。突然、姿をくらませた、っちゅう『召喚国ヨンダー』の偉大な 3賢者 様やったりするんかいな?」



なんだか、シリアスな展開っぽい。――でも、逃げるならこのタイミングだ!



「そうなんだ、ワン」


という声と同時に、私は突然、駆け出した。



・・・・・・そして、秒で捕まった。



(おのれ、いぬぅ~)



「ご主人。追いかけっこは、もう終わりですか?」


「えぇい、放しなさい!」



「あ、あかん。・・・なめくさっとんな、このタヌキわ」



かみ合わない会話に、ラストンは呆れてしまっていた。




◇ つづく



※キャラ文芸の条件に【 異世界 禁止令 】があったので、ファンタジー(バトル)路線に変更します(;´Д`)

どうかこの判断が、成功を生みますように(´人`)

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