第17話

あれから、どれくらいの時間が経ったのだろう?


ニゲルさんとイヌカ。2人を見ていると先生と生徒のようだ。

まぁ。どう見ても……イヌカ の方が 生徒だろう。理屈っぽい、かまちょ、だ。



(いやだなぁ~)



「―――それって、ニゲル氏の主観ですよね?」


「……くッ……ぬぅ~……」



「はい、論破!」


「こ、このタヌキがッ!?」



どうやら、ひと区切りついたようです。



わかりやすく、ふたりの話しを要約しよう。


どうやら、光魔法と闇魔法を同時に放つと、どうなるのかを実験しようとしていたらしい。



ただ……。



その前段階で、最上級魔法の 炎属性 と 氷属性を ぶつけ合うと どうなるかを遊び半分で提案したのが、イヌカ。で、ニゲルさんと猿っぽい人のテンションを煽りにあおって、爆上げした結果――いわゆる――核反応が起きてしまったらしい。



それ以来、彼らはこの森で 地縛霊を やっているそうだ。



「やっと、落ちつかはりましたか。せやけど、こんな調子で ケンカ されはったら――」

「いつに なっても、森からは 抜け出せないね」



ギールさん と ラストンが、頭を抱えていた。


(共感、あざぁ~す)



「あ!そういえば、私。…この先にいる、王様に会わなきゃいけないんだった」



「なんやそりゃ?」

「ごめん、忘れてた」



「はははっ。聖女様は、そんな表情も可愛いね。でも、僕たちがいっしょに王様に会っても大丈夫かな?」



(え~と。この人たちは、どこまで着いてきてくれる つもりなのだろう?)



でも、ギールさんと話していると、何だか 落ち着いてしまう。…他は いらない けど。



(どうしよう。私、ほんの数時間で篭絡ろうらくされてしまったのかも!?)



だから、この疑問には 思いつかなかった。困った。



「そ、それは…。どうなんでしょう?」


「首、ちょんぱですね」

(――……、な、なぜ。ここで、お前が 会話に混ざる!?)



イヌカよ。お前は嫌なヤツ、認定だ。あははは。



(でも、泉の女神さまにも 同じことを言われたような・・・。あわわわ)



◇ つづく

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