第15話
「それでは、ラードさん」
「ラストンや」
イヌっぽいのと豚っぽいのが、ショートコントを始めたもよう。
「これはうっかり、てへぺろです。それでは、ラルドさん」
「それそれ・・・。って、誰が、塩漬けの
「美味しい豚は好い豚です。そうでないなら、さっさと、このパーティから出ていくのです」
「ハ? わいに 噛みついたら、動物愛護の教会が黙っとりまへんで」
「くぬぅ。ご主人は僕の物です」
「なにゆうてんのや。あんさんも見とったやろ。わいが、この
そんな2人の軽快な会話を聞き、ハイレベルな漫才に舌鼓を打ってしまう。
(す、すごいぃ。もう、何という プレッシャー。これがリア
私の脳内では、2人はもの凄いイケメンに変換されていた。
そうだわ。
まぁ。お互いの 頬っぺたに 甘噛みをするなんて――、
(もう、コイツら デキてんなっ!)
こんな私に 河童は にっこりと笑いながら、片膝をつく。
「行く先は、聖女さまの御心のままに。僕たちはただ、聖女さまをサポートするだけですから」
私は しばらく その言葉を味わった。
そして、少しずつ、その意味がわかってきた。
「私が…決める?!」 私は自分の言葉に驚いた。
でも、それは事実だった。
(私は 聖女だ)
そして、私が決める。
それが私の役割だ。
「そうです、聖女さま。聖女さまが決めるんです」 ギールの言葉に、私は頷いた。
そして、自分の胸を叩いた。
「私が決める。それが私の役割だ。私は聖女だから」
――そう。わかってしまったのだ。
私は この世界に BLという異文化を持ち込むために、、、呼ばれたのだ!
◇ つづく
※ギール(かっぱ) & ラストン(ぶた)
※アルファポリス版では、イラストが見れます。
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