第13話
『コミュニティー能力』――。
それは、人 と 人とを 繋ぐ『虹』のようなもの。
それは、関係性を築くために必要な、協調性、自己表現能力などのスキルのことでもある。
コミュニケーション能力は、相手との意思疎通をスムーズに行うことができる力のことであり、言語や非言語などの手段を駆使して、相手とのコミュニケーションを円滑に行うことができるのです。コミュニケーション能力を高めるためには、自分の言いたいことを正確に伝える力、相手の言葉を聴く力、非言語を伝える力、非言語を読み解く力の4つのスキルを鍛えることが大切です。……とインターネットで読んだことがあります。
だけど、私はこの手の実戦経験が、おおいに少ない。
ん?多いのか?少ないのか?
いや、マジ、なに言ってんだか 自分でも わけが わかんない。
こうして、混乱していた私は、素直にたっぷりの言い訳を話すことにした。
「あ、ごめんなさい。ちょっと雰囲気を変えようと思って…」
私はそう言って、しょんぼり顔を作った。
しかし、豚と河童は まだ 固まった ままだった。
「どうやら、図星だったようですね」犬はしたり顔で、誇らしげだ!
「あんさん、それは…」 豚は言葉を濁した。
「おや。知らないのですか? 図星とは、狙ったところ、思ったところ、急所と云う意味です。この言葉の語源は弓矢の的が関係しているのですよ。つまり、矢の的の中心に描かれた黒い点のことなのです」
(おい、やめろバカ犬。豚さんの目が白黒しているじゃないかッ⁉)
「決して、矢を射る行為などではないのです――。聞いていますか? ここは、テストにも出ますよ」
(おい。…って、なんのテストだよッ⁉)
――私の中の黒い私が、どうやら目覚めてしまう。たいへんだ。
危険を感じた私は、今にも恐ろしいことが起きると言わんばかりの顔でいう。
「くっ。みんな、逃げて…。 暴走が始まる、もう時間がないわ!」
「これは、中二病というヤツですね」間髪入れずに応える犬っぽい何か。ちょっと嬉しそうだ。
「………え、いや、そうじゃなくて――――」
ごにょごにょと、聞こえないくらいの声でしゃべっていると、突然、後ろから豚が抱きしめてきた。
「それは、あんさんが決めることじゃないですか。あんさんが聖女さんだから」
「え?」 私は驚いて豚を見つめた。
◇ つづく
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