第7話

私は歩み寄った。


そして、身体と首のどちらに手を差し伸べるかを迷っているうちに、先ほどの剣士と兵士たちが現れた。




――どうして!?




たしかに、立ち去るのを見ていた。


なのに、どうして、……。



「先ほどの視線。国王の密偵に見られていたか、と心配しておれば。まさか、神の使いとも云われる伝承上の生き物にお目に掛かれるとは」



「……こ、こんな化物みたいなのが『ベリオソス』ってやつなのか」

「祝福や幸運の象徴とされる生き物が、生で見ると、こんなにも気持ち悪いのかよ」


剣士と兵士たちが奇異の目を向けて、口々に言う。


他人事のように捉えていた容姿が、急に現実味を帯びてきた。




「殺しますか、プリンス?」





(ほ、ェ~ッ?!)





◇ つづく...


※剣士 (第2王子)

※アルファポリス版では、イラストが見れます。

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