第6話

森を奥へ奥へと進むと、女性が数人の兵士に襲われているのを発見した。

彼女の服装には見覚えがあった。


先ほど買った小説のパッケージのイラストにもなっていた聖女様だ。

でも、彼女は肩や太もも、お腹にも傷ついているのが見える。


ここからだと1キロメートルは離れている気がするけど、間に合うだろうか?



「あ、あぶない!」



私が駆けだすよりも早く、彼女の首が切断されてしまった。

斬った相手は、黒い髪に黒い服、国章のようなマントを羽織っていた。



その光景を恐ろしく、しばらく動けないでいた。




彼らが去ったあと、息をひそめて近づいた。

行かなければいいのに。



(あぁ、もう。私の馬鹿!)



そして、私は叫んだ。


「アリシア・ハートフィールド……!」



◇ つづく...

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