第5話

花澤はなざわ香姫かいさんの書く小説に出てくる『ベリオソス』は4メートルを超える大きな体と、ゆっくりとした動作が特徴的に描かれていた。


このモンスターは神の使いとして、花澤先生の色々な小説に出てくる。


……ぜったいに、作者をディスった天罰だ。



「花澤香姫さん、ごめんなさ~い!」


しかし、その名前を呼んでも、何も起こらなかった。


「どうしよう……」


私は慌て出した。このままでは危険だと思った。



ひたむきに、森の中を歩き始めた。



しばらく歩くと、美しい湖を見つけた。

湖の水は、透き通っていて、とても美しかった。


私は、湖の水を飲んでみた。

すると、体が軽くなり、気持ちが良かった。


「これは……魔法の湖?」 とても驚いた。



……でも、病原菌とか潜んでないかしら?と不安が走る。



こういった場所では、野生動物が 身体を洗ったりするのよ。


だから、体についた虫や微生物が水の中に流されてしまう事がよくある。



――さらに、糞尿。



前に読んだ「おひとり様のソロキャンプ」という本に、ピロリ菌の危険性を訴えていたのを思い出した。


思わず飲んでしまったことに後悔して、暫くはジッと耐えた。



でも、わりと平気だった。


ちょっと、恥ずかしい気持ちになってしまう。



「後悔していても、仕方ないわ!」

私は気を取り直して、湖の周りを探索し始めた。



◇ つづく...

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