何処までも続く青のように

何が食べたい? 何処へ行きたい? 何を言いたい? 何を夢見てる?
目標を設定するには、まず「自分はどうしたいのか」という基本的な欲求を知ることが大事なのだけど、それがどうしても分からない時がある。私の場合はタロットを引いたり、「欲が出るまで待とう」とダラダラ過ごしたりしているけれど、この小説の不思議なカメラのように心が形になって見えたら、どれほど救われることだろう。
「未来」を考える青春時代は、ほんの少ししょっぱい、けれども爽やかに吹き抜ける海風によく似ている。どうか彼女が見つけた明日が、何処までも続く青のように純粋で美しく、広く深く、豊かなものでありますように。
読者の心に寄り添う優しい名作でした。