狐男のあったかごはんとローブの先生
旦那が人間を
風呂に入れさせてる間に「弟子にする」なんてこと言い出したときには驚きすぎて耳と尻尾の毛が抜け落ちそうだった。
俺が驚いていると、純白ちゃんは風呂で溺れそうになってるし。
いやー、あれはビビったなぁ……
「リフー……さん」
「んぉ、なになに?」
「ご飯、美味しいです」
「………それなら俺も腕を振るったかいがあったな!」
俺らはこの子の過去を視た。
独房の中、腐った飯と共同生活。人として認められなかった哀れな
「……」
「……ふっ」
今後、この子が飯を食べても、泣かなくなるくらいにはちゃんと食べさせてやらなきゃならない。
まあ俺からしたら食卓に華が
「美味しかったかい?」
「凄く、美味しいかったです………」
「そーかい、そーかい、んじゃ、あのローブ主人に怒鳴られる前に準備しな。弁当も入れてやったからさ」
……お前がどれだけあの
◇
私は肩に掛かっているバッグのを手で握り、ご主人様………かは定かでない、人……とも、そもそも定かではない彼の元へ急いだ。
「ごはん、頂いてきました。……ご、………主人様」
このご主人様……はきっと、恐らく、意外にも温かい人であるはず。だって、使いの人でさえ優しかったのだか、
「……何故お前が主人と呼ぶ」
「……え?」
「お前は私の弟子であり、私はお前の………先生、先生だ」
「は……はい」
「ならば、主人ではないことくらいは理解できるだろう」
「!…………そうですね」
…………
私の新しいご主人様だと思っていた人は、なんだか不愛想で、どこか失礼な物言いをする
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