その6

 伽羅さんと遭遇したお見舞いを終えて、その後もほとんどやることがないため毎日のようにお見舞いに行っていると、伽羅さんや縁呪が2日に1回くらいの頻度でお見舞いに来てくれていることがわかった。


 以前までは、僕が結のお見舞いに来られるのは、いつも仕事が終わってからとか、休み時間とかだった。その時間だと自然と、伽羅さんや縁呪のような中学生が訪れる時間とは被らなかったので、僕はこれまで誰が結のお見舞いに来ているのかを知らなかった。定期的に花が増えていたりしたから、誰かが来ていることだけは確かだったが、一番可能性が高いのは一緒に働いていた同僚、つまり管理局の職員たちだ。


 それ自体は、間違ってはいなかった。二人じゃない職員たちにも沢山会ったし、なんなら結が目覚めないと、魂が抜けているから話しかけてもなんの意味もないと言っていたユウキまでが花を持ってきていたのだ。結のことをまるで母親みたいに慕っていた二人が、来ていないはずがない。


 きっと二人が来てくれたら、結なら言うであろうお礼を伝えて、二人を歓迎する。僕が内心どんな思いを持っていたとしても、それを伝えるかどうかは別問題。一人の大人として、子供たちの前で情けない姿は見せられない。子供たちがそのことに気付くまでの間は、僕らはいつだって“立派な大人”を演じていないといけないのだから。


 幸いなことに、伽羅さんがくれたキンモクセイのおかげで、僕は比較的落ち着いていられる時間が長かった。普通の病院なら病室で線香なんて焚こうものならお叱り間違いなしだが、ここは病院のように見えても管理局、そして使っているものは魔法少女の作ったマジカルアイテムである。嗅いだものが半強制的に穏やかな気持ちになってしまうこともあってか、苦情を入れられることもなく、使い続ける事が出来た。


 そのおかげで、僕は普通に会話をすることができたのだ。もしかすると、家族を失ってから僕が一番落ち着いて人と話をできていたのは、こうしている時だったかもしれない。


「ん。おじさんのために作ったから、いっぱい使ってくれるとうれしい。お礼はいらないけど、どうしてもって言うならオムレツが食べたい」


 おかげで助かっていることを伝えると、今日もお見舞いに来ていた伽羅さんは相変わらずの無表情で僕にご飯を食べさせろと言った。気持ちが穏やかであるのなら、この子と話すのは変に気を使う必要もなく、楽なのだ。建前を使うとわからないから、自ずと本音だけで喋ることになる。ついでに、相手からの言葉も本音だとわかるのが、心地いいのだ。


「お店のやつなら、伽羅一人でも食べに行ける。お金いっぱいあるから、困ってない。そういうのじゃなくて、おじさんが作ってくれたやつが食べたい」


 オムレツなら、少し離れたところに有名なお店があるから、今日の晩御飯にでもご馳走するよと伝えると、伽羅さんはそう言って僕の提案をバッサリ切り捨てる。伽羅さんのことを知らずに今の発言だけ聞けば、親から甘やかされてお小遣いに困ったことの無いボンボンのように思えるかもしれないが、実際のところはそんなことはない。伽羅さんの家庭環境は、僕たちが親代わりにならないといけないものだったし、そのお金は伽羅さん自身が、命の危険もある魔法少女の活動の対価として得たものだ。


 ちょこんと丸椅子に座っている姿からは想像できないが、この子はこれでも結構な高給取りだったなと思い出して、ついでに自分が今無職だということも思い出した。これではご馳走したとしても“立派な大人”というより“無職おじさんの見栄”のように見えるのではないか、そのことで伽羅さんが気を使ったのではないかと言う考えが頭をよぎったが、伽羅さんに限ってそれはないなとすぐに切り捨てる。オムレツ、オムレツと抑揚なく言いながら頭をゆらゆら揺らしている少女が、そんなこと考えているわけがないのだ。


「それなら、帰りに材料を買ってから帰らないとね。一緒に行くかな?」


 ご飯時に食べにだけ来てもいいけど、と続けると、伽羅さんはわーい、るんるん。と言った後に、一緒にお買い物したい。と返事をする。正直なところ、あまり気が進まないというのが本音なのだが、本人がそうしたいと言っているのであれば仕方がない。


 お見舞いという名の自己満足を切り上げて、伽羅さんを連れて帰る。目覚めないと、意識がないとわかっている人を、何時間も見ているのなんて、自己満足でしかないからだ。他にやることがないから、ぼーっと庭の木を眺めているのと、きっと本質的にはそれほど変わらない。回復の見込みがないのなら尚更だ。


 血の繋がりのない少女を連れ回してスーパーに向かうと、伽羅さんはカートを押してくれた。カートが必要になるほどものを買うつもりはないのだが、きっと家族がまだ無事だった頃の名残だろう。以前は、たまにこうして買い物に来ていたのだ。


 とはいえ、カートはあって困るようなものでもなく、楽になると言えばなる。わざわざいらないと伝える必要もないので、ありがたく押してもらって、買うのはオムレツの材料。ついでにデミグラスソースを作るためのワインが切れていたのでカゴに入れて、スープのために野菜も少々。あとは冷凍庫に入っている常備菜を解凍すれば、夕食としての見栄えは保てるだろう。一人になってからは適当に済ませていたから、こうしてちゃんと考えるのも久しぶりだ。


 お菓子コーナーの前で立ち止まって、チラチラとこちらを見る伽羅さんに、一つまでならいいから選ぶように伝えると、少し残念そうにしながらチョコレートが追加された。お菓子を買ってあげると言ったのに、なぜ残念そうにしているのかはわからない。少し考えればわかるけど、今の僕はわかりたくなかった。


 車に戻ると、気を利かせてくれたのか伽羅さんはキンモクセイを焚いてくれた。おかげで落ち着いて運転できるので、少しありがたい。さすがに多少気持ちが乱れていたところで運転に支障が出るほどではないと思うが、命ある人を乗せるのだから万全であるに越したことはないのだ。


 何事もなく家に着き、車を止めて荷物を下ろしていると、一足先に降りた伽羅さんが玄関を開けて待ってくれている。ありがとうと伝えれば、伽羅さんはこくりと頷いて洗面所に走っていった。外から帰ったら手を洗う習慣が、しっかりついてくれたのだろう。


 そのことを少し嬉しく思いながら、買ったものを冷蔵庫の中に入れて、シンクで手を洗う。食器用洗剤で手を洗うのは肌に良くないと怒られるのだが、今はもう怒ってくれる人はいない。少しくらい横着してもいいだろう。


「おじさん、手はちゃんと洗面所で洗わないとダメ」


 いや、どうやらまだいたらしい。じとー、と言いながら僕のことを見つめる伽羅さんは、相変わらず何を考えているのか見た目ではわからないが、言葉で説明してくれるおかげで気持ちが伝わりやすくなった。いい傾向、なんだと思う。これがほかの人たちに受け入れられるかはわからないが、きっと。


 ごめんごめんと謝りながら、話を誤魔化すために今日のオムレツはデミグラスソースだと伝えると、伽羅さんは両手を上げながらわーいと言った。誤魔化しやすくて、素直で、やはりいい子だ。


 こんないい子が、悪意なくやった事で、さらに責任も他の人がとったのであれば、いつまでも引きずってしまうのはきっと僕の心が狭いからなのだろう。優しく、懐の深い人間であれと僕に言い聞かせていた“彼女”の言葉通りにあれないのは苦しいが、きっと今更変えようとしてもどうにもできない。


 またまた気を利かせてくれたのか、伽羅さんが線香を焚き始めて、僕は大人しく料理に集中する。とはいえ、米が炊けるまでの間はスープとサラダ、あとはチキンライスの下準備くらいしかできないから、急ぐ必要はない。


 何が楽しいのか、テレビもつけずに僕が料理をしているのを見ている伽羅さんに見守られながら料理を進めて、デミグラスソースを用意しようとしたタイミングで、伽羅さんがそそくさと動き出す。


 それまで一挙手一投足を見逃さないくらいの気迫があったのに、突然何をしだしたのかと思ってみてみれば、食器棚の方へ食器を取りに行っていた。僕の動きから、晩御飯の完成が近いことを理解したからだろうか。こちらから声をかけずとも自分で考えて動いてくれるのは、結構ありがたいことだ。


 お皿を取ってきた伽羅さんが、スープやチキンライスをよそって、自分の食べられる量をとる。おじさんはどれくらい食べる?と聞いてくれるのは、この子の優しさだろうか。


 僕の食べられそうな量を伝えて、伽羅さんがそれをよそってくれている間に、卵を3つ使ったオムレツを作れば、今日のメニューは完成だ。先に出来たてを食べるように言っても聞かないから、自分の分を作ってから、伽羅さんの分を作る。


「伽羅、やっぱりおじさんのオムレツが一番好き。ふわふわとろとろの卵とデミグラスソースが最高」


 伽羅さんはお気に召してくれたようで、とても褒めてくれるが、作っているものは大したものじゃない。以前ネットで調べて、一番上に出てきた作り方を続けているだけだ。オムレツもデミグラスソースも、僕がしているのは誰かの真似に過ぎなくて、僕の料理などと呼べるものではない。


「そんなに気に入ったのなら、今度作り方を教えようか。伽羅さんはなんだかんだで器用だから、きっとすぐに覚えられるよ」


 そう口にして、しまったなと失敗を悟る。これで伽羅さんが乗り気になってしまったら、きっとこの子はこれからもちょくちょく来ることになるだろう。その事が悪いわけではないのだが、そうなってしまうと僕のメンタル面での影響が気になる。


「ううん。大丈夫。伽羅、自分でご飯作るのそんなに好きじゃないし、たぶん教えてもらってもそんなに作らない。それに……」


 おや、と思う。てっきり、言質を取ったとばかりに入り浸ろうとしてくると思ったからだ。僕に対して“父親”を求めているこの少女は、僕に気を使って遠慮する理由が無くなれば、すぐにでもまたこの家で暮らそうとするだろうから。


「伽羅が作れないままなら、また何回も食べに来る理由ができる。いつでも食べれるよりも、おじさんと一緒に食べれる方が、伽羅はうれしいから」


 きっと、表情が無事だったなら、にへっと笑っていたことだろう。この子はそういう子で、こういう子だった。普通なら恥ずかしくて言えないようなことを平気で口に出せる子で、隠しておくべき本心をつい漏らしてしまうような子だ。



「そうか」


 これは、ダメだ。こういうのは、ダメだ。


「それなら、また食べたくなったら帰っておいで。たまにオムレツを作るくらいなら、それほど手間じゃないからね」


 ストレートに伝えられた思いに、感情が緩んでしまう。溢れ出るはずの暗い感情が、重たい感情が全部キンモクセイに絆されて、その奥からわずかに顔をのぞかせた気持ちが、漏れ出てしまう。


 ダメだ。こんなふうに感じる資格なんて、僕にはないのだ。大切な家族を守ることが出来ず、失ってしまった僕は、こんな暖かい気持ちになる権利なんてないのだ。


 それなのに、頭ではわかっているのに、“娘”と過ごすような感覚に、優しい気持ちになってしまう。失ってしまったはずの日常を想起して、懐かしい気持ちになってしまう。


 わかっているのだ。この気持ちが、今のこの状態が不自然だと。感じるはずの暗い感情が消えているのが、おかしいと。僕のものであるそれを奪われていることは、許してはいけないことだと。わかっているのだ。わかっているのに、心は勝手に安らいでしまう。本当に、この香の力はおそろしい。



「おじさん、今度、おばさんのお見舞いに来たいって言ってる子がいるの。連れて行ってもいいかな?」


 思考が溶ける。お見舞いなんて、誰の許可をとるでもなくすればいい。それなのにこんなふうに、僕に聞いてくるというのは、そうしなければいけないような、そうするのが筋のようななにか理由があるはずだ。それなら、それを聞くまでは答えるべきではない。少し考えればそうわかるのに、溶けた僕の思考ではそれに思い至らなかった。


「よかった。あの子もずっと気にしてたから、おじさんが嫌じゃなければあってあげてほしい」


 お見舞いについて、好きにすればいいと伝えると、伽羅さんは無表情のまま胸に手をやってホッ、とつぶやく。そしてそのまま、僕にも同行するように言って、僕は何も考えずに肯定を返した。もう少しくらい、伽羅さんがこうして聞いてくる理由を考えればよかったのに。



 そのあとは、伽羅さんが最近どうしているのかの話を聞いているうちに、晩御飯の時間は終わった。もう関係者では無い僕に対して管理局のこと、魔法少女の活動についての話をするのは、一応規則上では黒に近いのだが、そんなことで魔法少女を罰せられるわけがないので、そこまで気にする必要はないだろう。そもそもが児童労働を前提とする組織であるがために、管理局は成り立ちからして規則には緩いのだ。


 しかし、こうして聞いてみると、魔法少女としての僕の行動は本当に色々なところに迷惑をかけているのだとよくわかる。ついでに、そのせいで伽羅さんや縁呪が困っていることも。当然ながら申しわけないと思う気持ちはあるのだが、これに関してはたとえわがままであったとしてもどうしようもないのだ。



 食べ終わると、洗い物をすると言ってくれた伽羅さんに後片付けをお願いして、僕は先に部屋で休ませてもらう。部屋の中でキンモクセイを焚いて考えるのは今後のこと。僕だって、いつまでも今のままでいいとは思っていないのだ。家族を失った悲しみを、苦しみを全面に出して、被害者面をしていて許されるのは、最初の頃だけ。幸い僕の周囲は現状に対して同情的だからゆるされているものの、いつまでもこれが続くのならそれにだって限度がある。


 そうなった時に、どうするべきか。そうならないのが一番理想的ではあるのだが、職も立場も失っていることを考えるに、ここからの社会復帰はなかなか困難なものになるだろう。


 それならいっそ、これまでの全てを捨てて別人としてやり直すのもありかもしれない。僕は精神を病んでどこかに消えてしまったことにでもして、少女の姿で生きていこうか。金も家も戸籍もなくなってしまうが、ユウキを頼るなりすれば最後のものはどうにでもなるだろうし、魔法少女になれば前二つも心配はいらない。そう考えると、案外僕には選択肢があるのかもしれない。


 冷静に考えれば、なおさら悪くない考えだとわかる。魔法少女として、人間関係をほぼ一新した上で、結を取り戻すために手段を探すのだ。こうして一人で腐っているよりも間違いなく前進できるだろうし、やることがあった方が気力も湧くだろう。完璧などこもかしこも丸く収まる、最善の選択だ。僕が管理局を信用できないことと、魔法少女達に思うところがあることを除けばだが。


 結局、いくら考えてみたところで、話はそこに行き着く。信用できないから、身を預けられない。思うところがあるから、できれば一緒にいたくない。後者はただの僕の八つ当たりのようなもので、わがままだから我慢すればそれだけで済む話ではあるのだが、そう簡単にいかないのが人の心というものだろう。



 結局、何も変わることなく、思考を止める。止まっているのはとても楽だし、将来に対する不安以外で苦しいこともない。


 その日は元の部屋で泊まっていった伽羅さんが寝坊したので車で送ってから、僕が向かったのはまた管理局。結のところだ。管理局を信用出来ないといいながら、いつまでもそんなところに妻を預けている僕は人でなしかなにかなのかもしれないな。現状、他に預けられる場所がないのだから仕方がないと言えば仕方がないが。


 ここしばらく毎日同じ時間に来ているせいか、すっかり覚えられて最適化された手続きで中に入り、いつもの丸椅子に座る。もしかすると元々働いていた時よりも馴染んでいるかもと思いながら、今日も変わらず結を見ている。


 欠片ほども生産性のない行為だが、こうしているのが今の僕にとっては一番心が楽だった。一人で家にいると、後悔やらが頭の中で渦巻いて止まらなくなってしまう。ここであれば、多少はマシだ。全く良くなるわけではないのは、結も僕が悩んでいる原因の一つだからだろうか。我ながら、もうどうしようもないのかもしれない。


 スタッフさんが看護しているのを見て、時間の経過を実感する。毎日欠かさずする作業から、数日おきにする作業、それらを見ているとただ同じ日を繰り返しているだけではないのだと理解できるし、お昼ご飯のことも思い出す。一人でいると気がついたら数時間経っていたりしたから、こうやって生活にリズムをつけれるのはこうしていることの利点の一つかもしれない。



 そうしているうちに夕方になって、聞き覚えのある足音が聞こえてくる。ほかの足音が大人のものばかりなのに対して、軽いと言えばいいのだろうか、ほかとは異なる足音たちは、おそらく三つ。一つは伽羅さんで、もう一つは縁呪だと考えると、最後のひとつは昨日言っていた、お見舞いに来たいという子だろうか。


 子供たちが見舞いに来ているのなら、僕は席を外した方がいいだろうかと考えて、そういえば僕も会ってほしいと言われたことを思い出す。気が進むか進まないかで言えば若干進まないが、それならわざわざ避ける必要もないだろう。


 そんなふうに考えて、引き戸が開くのを待つ。両手にものを持っていたりすると、足で開けられる便利な引き戸だ。僕はそうやって開けたことはないが、ここに通い始めたばかりの頃はスタッフさんがそうやって開けるのに遭遇して、お互い気まずくなったものだ。


 そんな扉がコンコンと叩かれて、どうぞと言うと聞き覚えのある声がお邪魔しますと言って入ってくる。伽羅さんのものでも、縁呪のものでもない、けれどとても聞き馴染みのある声。


 おずおずと中に入ってきた少女の顔は、結にそっくりだ。生き写しと言ってもいいだろう。一つだけ違うのは、結が元々茶髪っぽかったのに対して、この少女の髪は綺麗な黒色であること。まるで姉妹みたいだが、見たくない現実から目を背けるのもこの辺りにしておかないといけない。


「……あの、こんにちはっ!ずっとちゃんとお話できなくてごめんなさい。おじさん、忙しくしているって伽羅ちゃん達から聞いてたから、遅くなっちゃいました」


 この少女は、結の娘だ。年の離れた妹でもなく、従姉妹でもなく、血を分けた娘。その体には間違いなく結の血が流れているし、同じように僕の血も流れている。僕にはほとんど似ていないが、目元とかをみてみると若干面影があるのだ。間違いなくこの子は、僕の娘



「いろいろ助けてくれてありがとうございました!おかげでパパとママのところに帰れました!」


 緊張した様子を見せながらニコッと笑うこの少女の名前は、記憶が確かならそう、小幸さゆきさん、だったはずだ。その声も、その顔も、とてもよく見知っているのに、知らない少女。


「おじさん、……お父さんって呼んだ方がいいですか?」


 目に入れても痛くない、かわいいかわいいわが子だった。この子のためなら命さえ惜しくないと思える、何にも勝る僕らの宝だった。なのに今は、その姿を見ているだけで不快になる。




 ああ。その顔で、そんなふうに笑うな。その声で、そんなしゃべり方で、僕を父と呼ぶな。







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 曇らせ山はまだ二合目くらいかな(╹◡╹)

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