第5話 魂の儀③
私の名前は、スーベリア・ウイグルといいます。商人のパパと、その手伝いをしているママ、お兄ちゃんがいます。わりと平凡な家庭ですが、お兄ちゃんが後継になるので、私は自由に仕事を選ぶことができます。らっきー。
ほかに兄弟はいないのですが、私には兄弟のような幼馴染が3人います。隣の家に住むコラル・エーデン。5つ先の家に住むカイン・イーギル。その更に2つ先の家に住むビューハルト・アバンティ。
うちとコラルとカインの家は昔からここにあって、ビューハルトの家が後から引っ越してきたらしい。でも、私が物心ついたときにはみんな当たり前のようにいて、よく一緒にご飯も食べてたし、本当に寝る部屋が違うだけの兄妹みたいなものでした。
ちょっと短絡的だけど、リーダーシップがあるカインはお兄ちゃん、優しくてみんなに気遣える、でもちょっと頼りないビューハルとは弟、無口だけど穏やかでいつもニコニコしてるコラルは妹みたいな感じです。
そんな私たちは、いつの間にか冒険者になることを夢見るようになりました。カインがずーっと言ってたものだから、刷り込まれてしまったのかもしれません。
よく通っていた、元冒険者のジルさんから冒険者の話を聞いていたのも大きかったかな。魔獣に囲まれた小さな村を救い出して、英雄扱いされて恥ずかしかったとか、凄く寒いところで夜空を見上げたら、エメラルドグリーンのカーテンが瞬いていたとかいわれたら、そんなの扱われてみたいし、見てみたいとおもうじゃん!
それと、ジルさんが
「スーちゃんも、コラルちゃんも、ビュー坊も、みんな魔力がはっきり見える。きっとみんな良い魔法使いなれるぞ。」
なんて言われたから、舞い上がっちゃったのかもしれない。そんなのワクワクしちゃうじゃん。カインは言われてなかったけどね。
だから、私たちは冒険者になることを夢見るようになった。冒険者になっになって魔獣を討伐したり、世界中のいろんなところに行って、いろんなものを見るんだって。
1人でその決意を持つのは、ちょっと怖かったので私はコラルを巻き込みました。
「あのさ、私、ちょっと冒険者になりたいって思ってるんだ。コラルはどう?」
コラルはすごく横に首を振ります。
「そりゃさ、塩スキルみたいなのが発言したらさ、無理だなって思うのも分かるよ。塩スキル、知ってる?」
フルフルと首を横に振ります。
「ともかく塩をすごく完璧に扱えるんだって。ここが塩の巻きどころってとき、なんかスキルが反応して、塩を鮮やかに生かせるんだってさ。でもそれもらっても冒険者はむずそうだよね。」
コラルははてなマークを頭に浮かべてます。
「水気がある敵には、その水気を吸ってシオシオにするみたい。味の薄いスープも味付けバッチリにできるって。あと、アンデット系にも一定の効果はあるみたいよ。」
コラルはふむふむ頷きます。
「でも、塩一杯持ってなきゃダメだって。スキルは、塩は精製できないから、持ち塩でなんとかするんだって。めっちゃやじゃない?塩スキル。」
コラルは激しく顔を縦に振っていました。やだよね塩スキル。
でもさ、そんなこと含めて。自分たちがもらえたスキルで、私たち4人でいろいろ考えながら過ごしていくって、良くない?
少し間をおいて、コラルは頷きます。
「私この4人なら、なんだってできそうな気がしてるんだけど、コラルはどう?」
少し間を置いて、コラルは頷きました。よし、コラモンゲットだぜ!
私は、ほんとに単純にこの4人で過ごして行くことが当たり前だし、嬉しかった。だから、最初にコラルを巻き込んだ。私たちなら、どこでも、どんなところでも、私たちが行きたいところに行けるって思ってたから。
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