第二神話 印章・シジル
この世界には、
シジルとは簡単に言えばそのものの偉大さや強さ、賢さなどそのもののすべてを
まとめた
いる学園・ナビアートにはそのうちのレベル5までを生徒として扱っている。
私はそのうちのレベル1に属している。要するに最も下ということだ。
しかし、シジルはものすごい才能を持っていないと、レベル1すらも受け取れない。よってこの世界で生まれた生き物の中でレベル5のシジルを受け取ることは極稀で
あり、レベル5の生徒のほとんどは、異世界からの転生者である。
そんなシジルを魔力0のわたしがどうして保有しているのかというと。
その理由は私とフルカス魔師との関係にある。私は魔力が0ということで
生まれた瞬間から私は家に入れなくかった。私は元・貴族であり、貴族の住む町は
見えない特殊なバリアのようなもので覆われていて、シジルレベル3以上・魔力3000以上でないとはいることが許されない。
平民や凡人の反乱などを防ぐためだろう。破壊も不可能と聞いている。
そして生まれたばかりの何もできない私を救ってくれたのがフルカス魔師だった。
フルカス魔師は貴族出身ではないため、私を家まで連れて、養ってくれて
ここナビゲートにも通わせてくれた。
ナビゲートの入学条件にはシジルが必要だったため、魔力0の私には魔歴学や美術学など、学問での獲得を勧めてくれて、見事シジルを獲得したのだった。
フルカス魔師は学校では角なしデーモンなどと呼ばれている。けれど、みんなの目には凄まじい
仮にシジル1とシジル2が3対1で戦ってもシジル2保持者が圧倒するだろう。
この世界の階級は1つ違うだけでも差は歴然なのだ。
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ロウワー。この言葉が一体何を指すか。
答えは簡単、弱者だ。
弱いものは従い、強いものが統治する。弱肉強食とはまさにこのことだ。
…私はロウワーの中のロウワー。最弱と言っても過言ではない。シジルを持って
いない者でも容易に私を仕留められるだろう。魔力0なんてアリ以下である。
「ルル、魔法教えようか?」
「ルル、一緒に頑張ろうね」
そんな声、最初はよく聞こえていた。しかし、みんなが私の魔力が微量なのではなく皆無であると気づいた途端、面白がっているとき以外、私に話しかけなくなった。
けど、誰も攻撃したりいじめたりしてこない。笑うということがいじめなのかも
しれないけど、でも私はただうるさいとしか感じないし、ものすごく嫌とも
思わなかった。
ただ、魔法や魔術が使えるみんなを羨ましいとしか思わなかった。
ナビゲートは他国や他族を襲うための訓練場のようなところでもある。
近くでは、轟音と共に地震と言えるぐらいの振動がよく鳴り響く。
ほとんどが異世界転生者だろう。転生者の
本能がそう言っているようだった。
あ、本能で思い出した。あと2日で私の66歳の誕生日だ。
その日で私の本能がすべてあらわになる。基本的に魔力の量やシジル、ランクや種族などでその本能とやらは決まってくるが、マジックアピアーの場合、多くの場合はオーラがより濃く見えたり、魔力がすこし上がるぐらいの小さな恩恵である。
私は、その日に魔力が0でなくなるように願っている。
大きな期待を持ちすぎると深い絶望に陥ってしまう。
私はネガティブな考えを持ちながら誕生日を待つことにした。
つづく。
魔力0の魔術師は無中生有が大得意 しめみさん @simemi
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