魔力0の魔術師は無中生有が大得意

しめみさん

第一神話 マジックアピアー

この世界には100万以上の多種多様な生物が存在する。

そのなかで、知識に恵まれた才ある生き物も複数存在しており、それぞれ独自の技術や進歩を遂げてきた。この物語は、マジックアピアーとして生まれた一人の少女ルルの史上最大・最高の物語である。

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この世界に生物が誕生してからわずか100万年。

世界では魔力リソースを持った生き物が生まれはじめ、魔力リソースをより多くもった生き物がすべてを支配していった。奴らの持っていた魔力リソースは30。今では考えられない数値では

あるが、それが現実だ。奴らは魔力を筋力に変換する”肉体突破リミットオーバー”を発見。純粋な力で他の種族をひれ伏し大地の上に王として君臨した。

しかし、他の生物も同様の進化を遂げると、世界は争いがたえない大戦争時代。

すべての種族は後にこれを”全地戦争ホールウォー”と呼んだ。

この全地戦争ホールウォーの後、現在の魔力階級制度チャームシステムが作り上げられたのである。そして我々の種族階級レースランクは・・・。


「ルル…答…さい」 

 だれか…わからないけど…私の名を叫んで…いる。

…一体なんだろう…強襲アサルトだろうか…。

ルル、目を覚ましなさい…ルル!  

 は、はい!!!

と、私はわけがわからない中、頬に紙が張り付いた状態で面を上げ、目を開けた。

気づけば私は全員から視線を向けられ、話が止まっていた。

ルル、わたしたちのランクは一体なんですか。

ランク?なんのことだろうか。仕方がないから適当に答える。

 ...1です。

そういった途端、魔術下団ロウワーに笑い声が響き渡った。うるさい。

ルル、それは私達の印章シジルでしょ?同じ文字でも言い方が違うだろ!

と、ロウワーたちは牙の全貌が見えるほど大きく口を開け、言った。

ルル、こちらへ。みなさんは次の訓練の準備をしなさい。

魔歴学者のフルカス魔師(通称:角なしデーモン)がそう言うと他のロウワーたちはその場から速やかに立ち去っていった。あたりを見渡しても階級室クラスルームにはもう誰も

居ない。フルカス魔師は私に授業の全貌が書かれたノートからページを一枚複製し、渡してこういった。

ルル、次はしっかり聞き、答えられるようにしなさい。勉強がいくらできる貴方でも私の話を聞いてないと解けないものもあるのですから。先程のようにね。

優しい口調とは裏腹に怖い顔。みんなはそういうけれど私は怖くない。

唯一私に優しい魔師だからだ。

 私は、誰からも嫌われている。誰からも、親からも嫌われている。

私は何にも恵まれない、才能はない。隠れた才能も探したけどない。

私は、努力の塊。みんなは魔力リソースの塊。同じ生き物でも、同じ種族でも

すべてが違うように扱われる。私は魔力が0だから。


つづく







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