第86話 文化祭準備①
結局、夏休み最後の週を病院で過ごした僕は少し損をしたような気分で学校に向かった。僕の通っている学校では文化祭が夏休みが終わってすぐにある。そのため大抵夏休み前に何をやるのか企画を決め、夏休み中に買い出しに行って、夏休み明けに完成させるのが普通のクラスだと思うのだが、自分たちのクラスはというと……
「それじゃあ、今から今年の文化祭の案をみんなで出し合いたいと思いま~す!」
何も進んでいなかった。
他のクラスは決まった時間しか文化祭の準備が取られないのに対し、自分のクラスだけ特別授業編成で文化祭用の時間が今取られている。
しかしそれには理由があった。
元々はお化け屋敷をやる予定だったのだが、この学校では文化祭で行う企画が似通ったりしないように、お化け屋敷は何団体、飲食系は何団体と決まっていたのだ。
しかし文化祭をまとめる、生徒会、文化委員との間にミスがあったようでお化け屋敷の団体が一つクラスが多く、しょうが無いことに一番下の学年である僕のクラスが企画を返らざるを得ないこととなったからだ。
「皆さん、何か案はありますか〜? お化け屋敷と調理以外なら出来るはずで〜す!」
ガヤガヤとクラスメイト同士で話し始める。
あちこちからカフェ、射的、カジノなどと案が聞こえてくるが……
「じゃあメイド喫茶〜!」
クラスの1人が声を大きくして言った。
クラスからは、やりた〜い、や、メイド服着るの恥ずかしい〜、とは言いながらも案外クラスはやりたい雰囲気が漂っている。
「それは……調理に入るんじゃ……」
何かを作って販売するのも既に枠が埋まっており、僕は出来ないはずなのだと思っていたのだが……
「どっかから買って来て、それを売れば大丈夫じゃない?」
琥珀さんがそう言った。
「………まぁ、それなら。じゃあ、メイド喫茶で大丈夫ですか〜」
クラスメイト達が拍手をする。
その意見に反対する事もないので、僕も続けて拍手をする。
「それじゃあ、メイド喫茶で決定で! 急いで今から概要を決めて、準備に取り掛かりましょう!」
僕のクラスの文化祭の企画がお化け屋敷からメイド喫茶に変わることとなった。
86話まで私、マキマキの作品を読んでいただきありがとうございます。この「1人でもやばいヤンデレ美少女が手を組み始めました、これはもう諦めた方がいいですか?」を初めて公開した日から1年が経ちました。当初より更新ペースは遅く、不定期であり、待ってくださる読者の皆様には大変申し訳ないと感じております。更新ペースはこのままである事が思われますが、それでも最後までは続けたいと思っている作品なので、どうか温かい目で見守っていただけると嬉しいです。最後にもう一度、私の作品をこの86話まで一年間読んでくださり本当にありがとうございます。
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