第76話 決意

目を覚ますと、そこには信じたくない光景が広がっていた。


布団の周りにはみんながいるのだが、全員服が乱れているのだ。


「……………」


普段は人に隠さないといけないはずのモノが色々と見えてしまっている。

それらのモノから一旦目を逸らし、冷静に自分の置かれた状況を考える。


夜からの記憶はない。

周りには服が乱れている女子達。

バイトまでの時間がない。


今、僕に出来ることは…


「おはよう! みんな! 起きて!」


とりあえず、みんなを起こし、時間がない中だが、昨日の夜に何があったのかを聞くことにした。


「みんな、昨日はあの後、何をしてたんだ? どうしてみんなは僕の部屋で寝ていたんだ?」


「………そうね、なんていえば良いのかしら? 私の頭の中の辞書には該当する言葉が無いわね。瑠璃さん、分かる?」


「え、わ、私!?」


急に話を振られた瑠璃さんが恥ずかしながらその言葉を言う。


「エ、エッチ…なこと…」


その言葉を言った後に、『瑠璃さんは知ってるのに、どうして私に言わせたの!?』 と、真珠に対して怒っていた。


「………そうですよね、薄々そうだとは思ってましたけど」


僕はそれだけを確認し、みんなを後にして、部屋を出る。





「ねぇ、大丈夫なの?」


「……そうね。ちょっと上手くいきすぎて逆に怖いわね」


「真珠ちゃんが言ったんだからね! こうすれば上手くいく!って」


「しょうがないじゃない! 彼に振り向いてもらうためにはこの体を最大限有効活用しないと勿体無いし……まぁ、彼がどう捉えたかにもよるわね」


そう、これは私達が考えた作戦の一つで、今の出来事はただの序章に過ぎない。

もちろん、彼とはまだヤっていない。

私はヤっても良かった、いや、なんならヤりたかったのだが、瑠璃さん達に全力で止められたので、ついさっき、お願いを聞いてもらったばかりなので、今回はこちらも要求を飲むことにした。


「でもね、安心しなさい」





もう、こうやって考えるのは何度目だろうか、結局はいつも、何もしていないで終わるのだが、今回からはそうは思えない。

なぜなら、一度はケンカ別れをしたと聞いたのだが、しかし、もう一度手を組み始めた。

今までの彼女達の言動行動全てがより一層、真実味を増す。

僕を振り向かせるために既成事実を作らんとせざる勢いだ。



**



「私も彼のことを何も知らないわけじゃ無い。むしろ、何でも知ってるはずよ。だから、これだけは分かる」



**



もう僕は彼女達から逃れる術はない。

ならば、覚悟を決めるべきだ。



***



彼は私達と本気で向き合ってくれるはずよ。

僕は彼女達と本気で向き合わなければならない。






新作です。息抜きで書きました。ヤンデレものです。

まだ2話しか投稿してないので、すぐに読み終わります。

よろしければ、読んでください。


「僕は男です!」と告白をしたら、なぜか先輩がヤンデレた

https://kakuyomu.jp/works/16817330669409912142

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