1人でもやばいヤンデレ美少女たちが手を組み始めました、これはもう諦めた方がいいですか？

第47話 バイト復帰

「あれ！？　りん先輩！？　バイト辞めたんじゃなかったんですか！？」

元はりん先輩と同じシフトだったはずのシフトに行ったら、そこには辞めたはずのりん先輩がいた。辞めたと思っていたので、僕は驚いてりん先輩に聞いてしまった。

「一回は辞めるつもりだったんだけどね～、辞めるのを辞めちゃった♡」

「そうですか。良かった～」

「廉くん、りんちゃんが何も言わずに突然辞めたのすごく心配してたんだよ～」

「そ、それって、本当なの？　廉くん」　

「ま、まぁ、人が何も言わないでいなくなってしまうのは、誰だって心配しますよ」

「そうだよ、りんちゃん。何か悩んでることあったら廉くんに言うんだよ」

「ちょっと店長、なんで僕なんですか」

今の流れ的にどう考えても店長が悩みを聞いてくれると思うだろう。

「そりゃあ、僕に女子高校生の気持ちなんてわからないし、分かるんだったら、同年代の廉くんでしょ」

「えぇ…」

僕に現役女子高校生の気持ちなんてわかるのだろうか。ただでさえ、りん先輩も含めた、あの五人の気持ちなんて全くわかってないのに。

「じゃあ、今度…」

「ま、まぁ、力になれるかは分かりませんが…」

だけど結局、りん先輩が僕に悩みを相談しに来ることはなかった。

＊＊＊

「そろそろ、夏休みだね〜、廉くん」

「そ、そうだね、琥珀さん」

「夏休み、一緒に海に行かない？」

「瑠璃さん、それはまぁ、時間があれば…」

「夏休みも私と一緒にコンビニバイトだよね！？」

「まぁ、シフトも入れてますし…」

「あなた、夏といえばやっぱりバーベキューでしょ！」

「もしかして…今年もやるの！？」

「もちろんよ、毎年恒例じゃない」

もう自分の家にみんながいることに驚くことがなくなってきた。それで、数年前に僕が許婚という関係を解消してから、一応家族同士の関係は保っておこうということになり、それから毎年、真珠の家族とうちの家族で一緒に夏はバーベキューをしていたのだ。

てっきり、3年間の間だが、家を出ているので参加しないものだと思っていた。

「えっ！　そのバーベキューって私も行っていい？」

「もちろんよ、瑠璃さん、琥珀さん、そしてりんさんも来てもらって構わないわ」

「真珠？」

「何かしら？　あなた」

「そこにリシアさんも入れてもらえると…」

「リシア…あぁ、あなたを危険に晒した女ね」

「そろそろ許してあげなよ、リシアさんだって最近は何もしてないんだから」

あの事件から結構経っているのだが、真珠はまだ許してないらしい。そして、リシアさんは家に来ることもなく、実家で過ごしている。

「まぁ、あなたが言うなら…でも、荷物検査はするわよ」

「まだ信用してないのか…」

とりあえず、リシアさんもバーベキューに参加できるようなので、後で連絡しておこう。今年の夏はいつにも増して大変になりそうだ。

「そういえば、言ってなかったけど、1週間ぐらい海の家で泊まり込みでバイトするから、この家開けるけど、なんか仕掛けたりしないでよね？」

「海の家でバイトするのはもう…」

「「「「知ってるよ」」」

「知ってるわよ」

僕の情報はどこから流れてるんでしょうか…

ここまでくると知らないことの方が少なそうだ。