第43話 優雅とはいかないティータイム

「えっ! 店長、りん先輩、バイト辞めたんですか?」


「そうなんだよ〜、急に電話で辞めるって言われてびっくりしたけど、無理に止めることもできないし…」


「そうなんですか…」


急にりん先輩がバイトを辞めるなんて、何かあったのだろうか? 

詳しいことは後で真珠に…


「いや、何のために連絡先を交換したんだ」


僕はスマホを取り出して、りん先輩に「急に辞めてどうしたんですか? 何かあったんですか?」と、送った。




***




「……琥珀さん、今日は私のためにここまでありがとうございます」


「いいよいいよ、私もりんさんに聞きたいことがあったし、全然大丈夫だよ!」


この前、廉くんが働いているコンビニに行った時、ちょうど廉くんは休憩中だったらしく働いている姿は見れなかったのだが、お会計を頼んだ時にりんさんに、


「すみません、今週の日曜日、空いていればでいいんですけど、話したいことがあるので駅前に来てもらえますか?」


「今週の日曜日? それって…真珠さんとかにも言ってる?」


「いえ、手を組んでいる人であれば、誰でも良かったんですけど…」


廉くんのことについても聞きたいことがあったので、私は好都合だと思った。


「……分かった。今週の日曜日ね! この事…真珠さんとか…言った方が…」


「それはしないでもらえると嬉しいです。話を聞いてもらってからで…」


「分かった。今週の日曜日、駅前ね! 時間は…後で連絡して!」


「分かりました…ありがとうございます」


そんなやりとりがあり、今、りんさんと私は駅前にいる。


「じゃあ…とりあえず、そこのカフェで、いいですか?。


「うん、OKだよ」


駅前近くのカフェに入り、テーブル席に通される。

りんさんは予約をしていたようで、何かを話しても聞かれなそうな、店の奥の方の席に通された。


「それで…話って?」


「いや、その前に…」


りんさんがここのカフェのメニューを私に渡す。


「好きなもの頼んでください…今日は私の奢りなので…」


「えっ? いいの?」


「はい、私のわがままを聞いてくださっているので…」


「じゃあ、お言葉に甘えて…」


そして私はチーズケーキとレモンティーのセットを頼み、りんさんはコーヒーを頼んでいた。


「………」


「………」


注文をしたあと、どっちが先に今日の本題に入るのかと、お互いに探り合うような空気ができていたて、数分間沈黙が流れていた。

そして、私が先に口を開けることになった。


「……それで、りんさん、話って?」


「実は…」


「お待たせしましたー、こちら、チーズケーキとレモンティーのセットですね。そして、コーヒーです」


「ありがとうございます」


「あ、ありがとうございます」


店員さんは注文したものを置くと、店の奥に入って行った。


「ふふ、タイミング悪いね」


「……そうですね」


「それで、話って?」


「……私、廉くんから離れることにしました」






今日の話を読んでりん先輩の口調がなんか違うと感じた人は多いんではないでしょうか?

りん先輩といえば、いつも明るくて、元気はつらつとした人ですからね。それでなぜかというと、最後の言葉です。最後の言葉を言うと決めた時からりん先輩は自分では気づいていませんが、口調がおとなしく、そしてどこか、元気がなくなっています。

これからりん先輩はどうなってしまうのでしょうか!

明日更新の次回もお楽しみに!

そして、できれば❤️と⭐️もよろしくお願いします!

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