第35話 ルールは破るためにある

その後、リシアさんから話を聞くと、あの小学5年生の時の転校先はロシアだったらしく、1度日本から離れていたらしい。その後、リシアさんは1人だけ日本に留学という形で今、日本にいるらしい。じゃあ、なぜ今までホテル暮らしだったのか、ということだ。


「滝山くんに泊めさせてもらうって言ったら、何も疑わずに…」


リシアさんはいじめられていたのを助けてくれたのが、僕だということをリシアさんの両親に話していたらしく、前から僕への好感度はMAXだったらしい。そして、小学5年生の時から連絡は取り合ってるものだと思っていたらしいので、そこら辺も気にしていなかったらしい。と言っていたが、リシアさんの両親はいくら僕への好感度がMAXだとしても、自分たちの娘を泊めさせてもらうことに何か違和感を感じなかったのだろうか。一言言いたいこととかなかったのだろうか?


「でも…滝山くんに泊まるということは言ってないし…しょうがないのでホテル暮らしを…」


「お金は大丈夫だったの?」


「まぁ、ビジネスホテルだったので…」


「リシアさん、18歳未満がホテル泊まるのって親の許可が必要じゃなかったでしたっけ?」


「………それは…秘密です」


一体どんな手を使ってホテル暮らしをしていたのだろうか。

旅行客のフリをしていたのか?

どんな手を使っていたのかが本当に気になるが言ってはくれないのだろう。


「でも…僕の家にずっとは…」


泊まらせてくれと言われてすんなりと泊めるほど僕も甘くはない。

1日だけというならまだしも、何日も僕の家に泊まり続けるのだろう。

でも、真珠たちが1日おきに泊まるって前に言ってたけど、それがまだ続くのだろうか?

けど何を言っても泊まるんだろうと半ば諦めている。だって今までがそうだったから。


「私は反対だわ。彼女をあなたの部屋に泊まらせるのは危険すぎる」


「はいはい、じゃあ私が!」


「瑠璃さん、忘れてないかしら、あなたも前科があるのよ」


「………はい」


「じゃあ…私が…」


「琥珀さんは…特にないけど、念のためダメよ」


「えぇ〜そんな〜」


我こそはと立候補をするが、真珠に拒否されている。

だけど、泊まるのは僕の家なんだよ! ここの家主は僕だよ!

拒否するのは僕じゃないの!?と言いたいのをグッと堪え、リシアさんに聞く。


「リシアさん、本当に僕の家である必要はある?」


「もちろんです。滝山くんの家でなければ意味がないです」


「リシアさん、所持金は?」


「あと…」


リシアさんがバックの中から財布を取り出し、お金を数える。


「2万…1…400…21400円ですね」


せいぜい3日、よくて4日ぐらいしかホテルに泊まることができないか…

数日経ったら、リシアさんは泊まる場所を失う。

それまでにどうするか…

そうなると、1番いいのは僕がリシアさんを家に泊めることだ。

けど…


「何をされるか怖いんだよな…」


「大丈夫です。何もしません」


「信用できないわ。私なら絶対にヤる」


「リシアさんを疑ってるわけではないけど…僕もちょっと信用できないかな…」


今までの経験からして誰かを泊めると毎回襲われかけるから、実際泊めたくないんだけれど、それだとリシアさんが…


「………そうだ。リシアさん、僕の家だったらいいんだよね?」


「はい、そうです」


僕はあるところに電話をかける。


「はぁ、こんなに早くに約束を破るなんて…」




まだ課題は終わっていません

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