第27話 コンビニでアレ買う人っているのかな?
入店した時からすごい可愛いなと思っていた。
綺麗な白い髪、出てるところは出て、引っ込んでるところは引っ込んでる体。
そんな誰もが見惚れてしまうような彼女が…
「あ、あの、コレ、ください」
ゴムを買うなんて。
「えっ! は、はい」
現在の時刻は午後6時過ぎ、今日も廉くんはおらず、1人だけのシフト。寂しいなぁ。
今までに男の人がゴムを買ったのは何度もあった。が、こんな同性の私から見ても惚れてしまいそうなくらいの美貌を持っている彼女が見知らぬ彼氏のため、ゴムを買うなんて。
べ、別に私は初めては廉くんと決めてるけど、ゴムはなくてもいいというか…廉くんと私の子供欲しいし…やっぱなくていいな…
「………どうかしましたか?」
「あっ、いえ、すみません」
箱についているバーコードを読み取り、お会計をする。
「ありがとうございましたー」
あんなに可愛い人がゴムを買うなんて、まぁ、念のため私も廉くんとその時になったら自分で買うと思うけど。ここでは買えないよなぁ、店長に何か言われそうだし。
***
「………リシアさん」
「どうしました? 滝山くん」
「何で僕は自分の家で椅子に縛られてるんですか?」
目を覚ましたら、自分の家にいた。真珠と瑠璃さんがどうなったかは分かっていない。
「………滝山くん、ご飯にしましょうか」
「リシアさん!?」
「今日の晩御飯はボルシチです。本場のボルシチをどうぞ」
「………どうやって?」
僕は椅子に縛られている。もちろん腕も手も動かせない。どうやってボルシチを食べろというのか。
「もちろん、考えてあります」
そういってリシアさんがスプーンを手に取り、ボルシチをすくい、リシアさん自身の口に入れる。
「えっ?」
「ん…」
「ん!」
リシアさんがボルシチを口移ししてきた。
人生で初めてのキスはボルシチの味でした。
「ふぅ、美味しい?」
「………リシアさん」
「そんなに美味しかったのね、もう一口あげる」
リシアさんがまた一口ボルシチを口に含み、口移しをしてくる。
「ん…」
「ん!」
「まだまだあるからね、どんどん食べて」
「んっ!」
食べてるというか、飲まされてる。実際ボルシチは美味しいのだが、口移しのせいで、何も考えることができなかった。
コンビニの袋からあるものが見えた。0.01の文字が書いてある箱が…
リシアさんはまだ諦めてない!
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