第24話 ロシア語は難しい
「この部屋のゴムは全部捨てたわ」
「ちょっ! ゴムは!」
僕がそう言うと、リシアさんの動きが止まる。
「滝山くん…ロシア語分かるの!?」
「えっ、ま、まぁ、リシアさんが最後に言ったのが何だったか、気になったから…」
「それで、なんて言ってたか分かった?」
「いや、ロシア語をマスターした時にはリシアさんが何を言ってたか忘れてしまって、結局分からずじまいです」
「そ、それじゃあ、今からロシア語で喋るからなんて言ってるか訳して!」
ベットの上で裸のロシアン美少女とロシア語翻訳…流石に服は着よう! このままだと自分がその気になってしまいそうだ。
「リ、リシアさん! せ、せめて、服着ましょう。訳すのはそれからです!」
「я отказываюсь」
「いやだ、じゃないです! 服着てください!」
「凄い! 本当にロシア語分かるんだ!」
「そんな事いいから服着てください!」
「Я понимаю《分かりました》」
リシアさんはシャワー室に戻り、服を着にいったようだ。何とか良かった。ロシアと日本のハーフの裸の威力は凄まじかった。本能のままに従っていたらそのままリシアさんを襲うところだった。リシアさんの本来は見ることのないであろう場所もくっきりと頭に残ってしまった。リシアさんが故意に起こした事でも僕は最低だ。
***
「ありがとうございました」
私は乗ってきたタクシーを降り、ホテルに入る。
受けつけで、写真を見せて、『この人の部屋どこですか?』と聞くと、受付の人は教えてくれる事はなかった。『この人に呼ばれてるんです』と言ったら、すんなりと部屋を教えてくれた。
「全く、この国の個人情報とやらはどうなってるのかしら」
エレベーターで彼らがいるであろう階に上がり、部屋の前に着く。彼は無事なのだろうか、もしくは瑠璃さんにもう…
そんな事は考えたくない。私が彼の童貞を卒業させてあげるのだから!
渡された鍵でドアを開ける。そこには…
「Ты мне нравишься」
「あなたが好きですってそんなこと言わないでください!」
彼と瑠璃さんではない知らない女がベットの上で楽しく話をしていた。
良かった…まだ…
あれ? 瑠璃さんは…
気づいたら私は彼に怒鳴ってしまった。
「その女、誰よ!」
「Вау, я был удивлен!《わぁ、びっくりした!》」
「真珠! どうしてここが!?」
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