第13話 爆弾発言はよく投下される
琥珀さんと真珠が家に泊まることになった。
普通、女子が自分の家に、さらに親がいない。
こんな状況が自分に起こったら何かあるのかと期待してしまうこともあるかもしれないが、僕はそんな期待をするわけもなく、それよりも自分の身の心配をしていた。
『寝たら…寝たら、絶対に襲われる!』
「さて、どうしようかしら、あなた?」
「な、何を…」
「何って…布団よ、一つしかないんでしょ」
「そ、そうか、ふ、布団だよな…」
「どうしたの〜廉くん、何を期待しちゃったの〜」
「……………」
これに関しては僕が勘違いしたのがいけないので何も言えない。
「とりあえず布団は一つしかないのよね」
「そりゃあ一人暮らしだし…」
「そうね。どうしようかしら…」
「そうだ、真珠は隣の瑠璃さんに泊めてもらったら…」
「それじゃ、意味がないでしょう、それも瑠璃さんに迷惑だし…」
僕の迷惑になっていることは気にしないんだなと思いつつも、真珠の言ってることは正しい。一方的に話を決めて、助けてもらうのは道理が通ってない。
………これ、俺もじゃないか?
「とりあえず、聞いてみようかしら…」
そういって真珠がスマホを操作する。LINEを使ってるのだろうが、隣に住んでるんだし直接聞けば…と思いつつも、それは言わないようにした。
真珠がスマホを操作しているのだが急にドアの鍵が空き、そのドアが開いて瑠璃さんが入ってくる。
「真珠ちゃん! どういうこと!? 廉くんの家に泊まるって! ずるい!」
「どういうことって言葉通りよ、今日、私はここに泊まるわ」
「ずるい! 私も泊まる! 廉くん、良いよね?」
「ちょ、ちょっと待ってください! 瑠璃さんは隣ですよね!?」
「そ、そうだけど…、でも! これじゃ、不公平!」
「何が不公平なんですか!?」
「ずるい…とにかくずるいの!」
「じ、じゃあ、真珠を瑠璃さん家に泊めてくれませんか?」
「それじゃあ、そこにいる女がずるい…というか、そこの女、誰!?」
「か、彼女は…」
「か、彼女………う、嘘だ! 私が◯す、◯す◯す◯す◯す◯す、絶対に◯す」
「る、瑠璃さん?」
「瑠璃さん、落ち着きなさい。彼女は…彼女は…何なのかしら? あなた、説明して」
「だから彼女は僕の…」
「そうですね。自己紹介がまだでしたね。私は廉くんの隣の席の高浜琥珀です。将来は滝山琥珀になる予定です♡」
「はぁ? どういうことよ!? 説明して、あなた!」
「どうして…どうして…瑠璃がいるのに…説明して! 廉くん!」
あぁ、どうして自己紹介1つで何でこんなにめんどくさくなるんだ…
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