第6話 家具を買いに行くだけで何でこんなに疲れるんだ

バァンと家のドアが開く。


「家具を買いに行きましょう。廉さm、廉くん」


「朝から急だな…って何で勝手に入ってきてるんだよ!」


「ここは私の家だから、勝手に入ってきても問題ないでしょう?」


「そもそもここは真珠の家じゃないんだよ! 僕の家だ!」


「そんなことよりニ◯リ行きましょう」


「そんなことって、僕、不法侵入されてるんだぞ!」


「早くしなさい、あなた」


「いつから真珠の夫になったんだ?」


「昔からよ、私たち許婚でしょ」


「だから何度も言ってるが許婚だ」


「さ、早く行きましょう」


真珠はもう家のドアの前に立っていて、行く気満々である。


「まぁ、家具は欲しかったから行くけど…」


電車に乗り数駅、そして…待ってニ◯リってどこにあるんだ!?

真珠について来ちゃったけど…


「真珠、ニ◯リってどこにあるんだ?」


「あなた、そんなことも調べないで家具を買うつもりだったの? やっぱり私がいないとダメダメね」


「そういう真珠は場所知ってるのか?」


「えぇ、もちろんよ」


ついて来なさいと言われ、ついて行ったら…


「ニ◯リだ」


「えぇ、ニ◯リよ」


「それじゃあ何を買いましょうか? ベットとかどう? ダブルベットがいいわね。私たちが一緒に寝る、もちろんエッチもそこで…」


「ベットは布団があるからいらないし、まずダブルベットなんて部屋に入らない」


「あら、エッチについては何も触れないのね」


「何でスルーしたのにもう一回触れるんだよ!」


「あなただって思春期なんだし、そういうのに興味津々なのかと思ったのだけれど…」


「いや、小さい頃から過ごして来て今更そんなのないだろ」


「そうかしら、私は大アリよ、いつだってあなたのことを考えて、いつだってあなたの子を孕む準備はできているわ」


「冗談でもそういうのはやめてくれ、真珠…」


「あら、私は嘘はつかないわ」


「もうそれが嘘だろ…」


僕は調理器具を買いたいのだが、真珠は料理とは全く関係のない、コーナに行ってしまう。


「あなた、子供ができた時のために今から学習机を買っておくのはどうかしら?」


「それはせめて僕のにしてくれ…」


「そうなるとランドセルも必要になってくるわね」


「もう僕はツッコまないぞ」


「ソファとかどうかしら?」


「ソファか…確かに欲しいけど…」


「私があなたの家に行った時に私が座る場所がないのよ」


「何だよ! てっきり普通に勧めてくれたのかと思ったけど、結局自分のためかよ!」


「あなたがその足を私の椅子がわりに使わせてくれるのなら別に買わなくてもいいけど」


「何だよそれ…」


「ほら、料理道具買いに来たんでしょ、行くわよ」




「この包丁いいわね、買おうかしら」


「真珠、お前料理できないだろ」


そう、実は真珠は料理できないのである。熱を出した時にお粥を作って来たことがあると言ったことがあると思うが、その時は体調が悪いのもあったのだが真珠には悪いが吐いてしまった。


「いつから私が料理のために包丁を使うと思っていたの?」


「おい、やめろよ」


「あなたに寄って来た女どもを…」


「マジでやめろよ、それだけは! 犯罪だぞ!」


「あなたを守れるなら捕まるくらいどうってことないわ」


「どうってことないわじゃないんだよ! 流石にやめてくれ」


「まぁ、あなたが私以外の女と関わらなければいいだけだし…」


あっ、絶対無理だ。だってご近所付き合いで隣に瑠璃さんいるし、バイト先にもりん先輩がいるし、無理だろこれ。まぁ、冗談だろうとは思うけど…

そのまま何とか真珠の攻撃に耐え、買い物も終わり、家に帰って来たのだが…


「あれ、廉くん! お帰りなさい」


「あなた、誰この人? やけに馴れ馴れしいわね」


「廉くん、隣の人誰? もしかして…彼女じゃないよね」


「えっと、瑠璃さん、彼女はあの時の友人です」


「で、真珠、瑠璃さんは私の隣人ね」


「愛人? ひどいわ! あなた、私というものがありながら…」


!何で愛人と間違えるんだよ!」


「廉くん、本当にその人友達?」


「えぇ、ただの友d」


「許嫁よ。廉くんの。それにしてもあなた、私の許嫁に随分馴れ馴れしいわね」


をつけろって何度も言ってるだろ!」


「元許嫁ってどういうこと?」


「えっと…その…」


「滝山グループってあなた知ってる?」


「えぇ、あの大企業の…」


「廉くんはね。その滝山グループの御曹司なのよ」


「そんなこと知ってるわよ、当たり前でしょ」


「「えっ!」」


まさか知ってるとは思わなかったので、僕は真珠と一緒に驚いてしまった。


「………私は彼女と話すことができたわ。先に家帰ってもらえる?」


その帰る家ってのは僕の家で真珠、あなたの家じゃないんだよ〜

そんなこと言えるわけもなく、家に入ろうとする。


「瑠璃さん何かあったら、遠慮せず僕の部屋に来てね!」


「やだ、廉くんったら、いきなりお部屋に誘うだなんて…」


「えっ?」


「あなたは早く家に入ってなさい、私が全て片付けるから…」


真珠に家に押し込まれてしまい、不安だが、話すことがあると言って口は出せないしな…

と思い、今日買ったものを使ってみようかと思い出したのが…


「待てよ! 真珠、あいつ包丁あのまま買ってたよな! まさかとは思うが…」


廉の不安がさらに大きくなった。




今日から毎日投稿しようと思います。時間は0:03を予定しています。

なぜ3分かというと0時ぴったりの更新と被らせないようにするためです。

ご了承お願いします。コメントしてくださると嬉しいです。


次回 手を組みましょう 更新予定です。

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