第4話 高浜 琥珀
「新入生代表、滝山 廉」
「はい!」
「新緑が日に鮮やかに映る季節となるなか…」
今日は入学式、僕は首席で私立の高校に進学した。
自分の家から近くなく、偏差値も高いところはここしかなかった。
そしてここに入るために入試を死に物狂いで頑張った。
子供の頃から塾はいろんなところに行っていたため。そこまで苦労する事はなかった。
僕の両親は入学式に出席していたが、話す事なく終わった。
「今日は全員の自己紹介と連絡を少しして終わりです。これから頑張りましょう!」
と先生が言う。ちなみに教師は2年目で初めてクラスを持つらしい。ちなみに美人。
彼氏はいないらしい。
「それじゃあ1番の人からどうぞ」
「はい!」
そこから自己紹介が始まる。
そして自分の番が来る。
「26番 滝山 廉です。趣味は特にないですが、このクラスにいる皆さんと仲良く慣れたら嬉しいです。よろしくお願いします」
今、自分でも思ったが、こんなの言って許されるの陽キャだけだぞ。
はい、自己紹介盛大に滑りました。終わった僕の高校生活…
自己紹介、連絡がおわり、今日は下校となったのだが…
「ねぇ、どのくらい勉強したの?」
「なぁ、俺と友達になってくれよ」
「え〜っと、あの〜」
「ちょっとみんな、一気に喋りかけたら、廉くん聞き取れないでしょ!」
隣の席の女子が言ったその一言で僕の周りにいた人たちが一気に静かになった。
「えっと、君は…」
「あれ? さっき自己紹介したのに、覚えられてないのかーまぁ、最初だし、もう一回自己紹介するね。私は
ツインテールの黒髪で顔そして仕草も可愛い。僕は一瞬でこの人がこのクラスの中心になるだろうと悟った。
「よ、よろしくお願いします」
そこから怒涛の質問攻めだった。
帰っていいよと言われた時間から1時間が過ぎたところようやく解放された。
「今日は疲れた…」
帰ろうと外に出たら見覚えのある女子が1人…
「高浜さん?」
「や、やっほー」
「どうしたんですか? こんな時間まで」
「廉くんを待ってたの」
「どうして僕を?」
「………私と付き合ってくれないかなぁ!」
「えっ!? ど、どうしたんですか?」
「んー、強いて言うなら一目惚れ?的な感じ?」
「だってカッコよくてその上勉強もできるなんて超最高じゃん!」
「だから私と付き合ってくれないかな?」
出会って1日で告白されるなんて経験したことなかったが、僕の答えは決まってる。
「ごめんなさい。高浜さんと付き合うのは無理です」
「………もしかして彼女いる?」
「いえ、彼女はいないんですけど、僕は付き合った人とは結婚すると決めているので、その人は自分自身が決めたいので」
「ふーん、そうか、振られちゃった。ごめんね廉くん、足止めちゃって、バイバイ」
「はい、失礼します」
突然の告白に驚いたが、僕はそのまま家に帰った。大事なことに気づくことなく…
「やっぱり私の運命の人だ。いきなり告白してもちゃんと誠実に対応してくれるし、その場に流されない強い意志も持ってる、あんな人好きにならない方がおかしいよ。きっと学校でも廉くんのことを好きになる人はたくさんいるだろうけど、絶対に廉くんは渡さないんだから、絶対に諦めるもんですか、これからも何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も廉くんにアタックして、絶対に廉くんと結婚するんだから! 廉くん好き! 大好き! 絶対に廉くんが選ぶ人を私にさせるんだから!」
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