お隣さんと一緒に温泉へ
//BGS電車の揺れる音
//電車で隣り合って座っているため片側からのみ音声が入る
「いやー、電車一本一時間で温泉街まで直通してるっていいよねー。これなら多少はお酒も飲めるし!!」
「しゅっ、酒豪なんかじゃないよ!! ただちょぉーっとだけお酒が好きなだけだもんっ!! あなただってお酒好きなんでしょ?」
「お酒は好きだけど酔っぱらうのはそんなに好きじゃない? へーなんか……、珍しいね。いやほら、お酒は別にそんなに好きじゃないけど酔っぱらうのが好きな人って結構多いじゃない? だから、逆なのは珍しいなーって。ちなみに私はどっちも大好き、にひひ」
「それにしてもあなた、随分眠そうだねー?」
「えっ? 昨日は三時過ぎまで飲んでたの?!」
「確かにそれなら眠そうなのも納得だけど……、でもその割には私よりも早起きしてなかった?」
「実際の睡眠時間に関わらず出社時間前には目が覚めるって……。ちょっと訓練され過ぎじゃない……?」
「まー、でもそんなに眠いなら仕方ないし、私の肩貸してあげる。ほーら、少し寝てな?」
//SE頭を引き寄せる音
//GBSが切れる
「うん、お休み」//かなり優しく
//SE雑踏の音
「流石に平日だからか、思ったよりはすいてるねー。休日は人でごった返してて、余暇って感じでもなくなっちゃうんだろうねー」
「それが嫌で休日はあんまり外に出ないって? それはぁ……、ちょっともったいなくない?」
「あっ、ほらほら、あそこに足湯あるよ。一緒に売ってるお饅頭でも食べながら浸かっていこ?」
//SE足音
//SEゴソゴソ音
//SEちゃぽんという水音
「ふぁ……、あー、気持ちいぃ」//ちょっとだらしない感じで
「いいの!! だらしないところを人に見られるよりも、この足湯を堪能することのほうが大事!! 旅の恥はかき捨てだって、言うでしょ!!」
「えっ? それはそういう面持ちでいるのは良心や規律に反するからやってはいけないよっていう教えだって? ……、こっ、細かいことはいいのよ!! ほらっ、あなたもさっさと足入れなさいよ!!」//照れ隠しのニュアンスを込めて
//SEゴソゴソ音
//SEちゃぽんという水音
「ね? 気持ちいいでしょ?」
//SEビニールを剥く音
「あむっ……。こっちはなんだか普通のお饅頭ー」
「うん? 普通においしいよ? ほら」
//SE何かを差し出す音
//一拍の間
//SE咀嚼音
「ね? んっ、はむっ……。私もうすでにお酒飲みたくなってきたんだけど……」
「やっぱりだめ?」//上目遣いをイメージして
「酔っぱらったまま温泉入って事故ったら目も当てられないって……、正論言うのやめてー!! やだーやだー!!」//子供のわがままっぽく作った感が出ている
「お酒は帰ってからいくらでも付き合うって? 本当? 本当だね? 約束だよ? 絶対逃がさないからね?」//ちょっと圧を込めて
「ふふーん。ふっふっーん。じゃあ早速お土産のおいしいお酒買いにいこうか?」
//SE立ち上がる音
「え? お土産は温泉を一通り楽しんだ後にしようって? もー、しょうがないなぁ」
「じゃあ、温泉入りに行こっ」
//SEマッサージチェアの音
「ほぁぁぁ……。温泉気持ちよかったねぇー」
「どうしたの? そんなに落ち込んで」
「え? 混浴温泉に宛でもあるのかと思ってたって……?」
「ばっ!? バカっ!! バカじゃないの!? そんな簡単に一緒にお風呂なんて入るわけないじゃん!! 何考えてるの!! スケベっ!!」//明らかに照れ隠しのための早口を
「えっ? 人前で裸になるのに慣れてなさ過ぎて、一人きりだと心細かったって……。思春期の女子だってもう少し肝が太いんじゃない?」//怪訝そうに
「見慣れないおじさんたちに絡まれて大変だったってぇ? それはそれは……、なんといっていいのやら……」//ちょっと同情を滲ませながら
「よしっ!! それじゃあ気分転換に卓球でもしようっ!! ほら、やっぱり温泉で卓球は定番でしょ?」
「今汗を流してきたばかりなのに汗かくようなことするのって……、いいのよそんなこと!! ここは温泉街なのよ!! 汗かいたなら何度でも温泉に入ればよろしい!!」//力強い様子で
//SEピンポン玉//三ループか四ループくらい
「よっしゃぁ!! 私の勝ちぃー!!」
「えっ? 胸元が開けてる? ……っ、~~~っ!!」//しっかり恥ずかしがる感じで
//SE衣擦れの音
「み、見た?」
「黒レースはちょっとセクシーすぎるって……!! こういうのは例え見えちゃったとしても見てないっていうのがデリカシーってものでしょっ!! バカっ、アホッ!!」//ギリギリ暴力に訴えていない感じで
「見たものを見てないと偽るのは誠意に欠けると思ったですって……? そう、じゃあ誠意を示そうとした結果、デリカシーが無くなったと?」//呆れた調子で
「ま、まあ、そういうことならいいでしょう。不問とします」//一応誠意は感じたといういう口ぶり
「でも、そうねぇ……。次の温泉までの間に食べるものをあなたのおごりってことで良いわよね?」//しっかり圧を掛ける感じで
「うんうん、素直でよろしい。それじゃあ行こっか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます