第13話対決


その裏、味方は3者凡退だった。

1点リードする形で2打席目の近藤を迎えた。1打席目にカットボールで打ち取ってまた投げたが、ポール際のギリギリファールだった。すぐに修正してきた。2球目はストレートでボールだった。3球目もストライクゾーンにストレートを投げた。近藤は打ち、勢いよく真後ろへ飛ばした。4球目はフォークボール同じようにストライクゾーンギリギリを狙った。近藤は見逃した。審判の判定はボールだった。5球目も投げた。高めだったが、この日近藤相手に初めて内側に投げた。近藤は迷わず振った。右側に上がった打球はあと少しでホームランだったが、右翼手にとられてしまった。ここで一つの疑問が残った。今のフォーク速くなかった?富樫と近藤は掲示板を見た。150その数字に驚きを隠せなかった。150㎞のフォーク何て初見でヒット出来るわけない。プロでも出したことない数字だ。富樫は生田が怖かった。どこまで伸びるのかと。捕手として生田は安心して投げられているのかと。でも、ベンチに戻ったとき生田が


---お前がとってくれるから俺も安心して投げられる。だからスピードも出たんだと思う。これは俺が出したスピードじゃない。俺らで出せたスピードだ!


極限の中、生田は富樫に言った。迷いなく言った。それを聞いて、富樫は照れた。だが、嬉しかった。

近藤の第3打席。内野安打とポテンヒットバントと四球で、1アウト満塁で迎えた。その初球、甘く入ったストレートを打たれてしまった。走者一掃の適時2塁打だった。これで、1-3と逆転されてしまった。その後は無失点に抑えたが、7回を終え、交代のときを迎えてしまった。

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