第9話挫折
ある日、施設から兄が1人で出た。
自分は部活で知らなかったが、家族にすぐ連絡がいった。施設の手が空いてる職員と懸命に探した。兄は信号も車も理解が難しかったので、交通事故の危険があったし、他人に遭遇したまら危害を加える可能性もあった。
数十分後兄が見つかった。近所をスキップしてたらしい。見つけたのは鈴木さんだ。自分が家に帰ると、母が赤い目をしていた。兄は笑顔だった。自分の状況が理解出来ていない様子だった。母は安堵して泣いた後だった。それを受けて理解が出来なかった。事の顛末を聞いて自分だけ蚊帳の外なんだと感じた。兄を助けられなかった。母を救ってあげられなかった。それを悟って自分も暗くなった。
部活を終え、家に向かってる途中で鈴木さんを見かけた。
---イチローさーん!
---ぇ、蓮君!
ちょっと待ってくださいと声をかけ、生田は信号を渡り向かい側の鈴木さんに近寄った。
---この前は兄を見つけてくれてありがとうございました。
---いやいや蓮くん、ウチの管理ミスだよ。ゴメン!
---なんかお互いに頭を下げるって変ですね。
---確かに。なんか、笑えてくる。蓮くんの家は駅の向こう側だよね?駅まで一緒に行こうよ。
---そうですね!行きましょう!
2人は駅を目指して歩いた。色々と話した最近の事や好きなものまで
---ぇ、蓮君家族に野球見てほしいの?
---はい。でも、兄の面倒とかもあるから。来るのは難しいと思います。もし来たらいつも以上の力発揮できそうで
---ってことは、一回も来てないの?
---そうなんです。まぁ、試合も来年までないんですけどね。
今は6月。春の大会まで10か月あった。
そして、3年生になり。最終学年。生田は誰ともクラスが一緒にならなかった。野球部には新1年生が12人正式に入った。たくさん入ったが、脅かすような選手はおらず、成長に期待した。
春の大会が始まった。初戦は都立の高校で無名だった。
先輩たちが辞めてから主将に選ばれた富樫がくじ引きで引き当てた相手だった。
---助かった~初戦から強豪じゃなくて。
と、富樫一同野球部員がそう思った。
春の大会が始まった。
もちろん先発は生田が担った。4番と5番に変更はないが、新たに3番に藤原が入った。
久しぶりの公式戦全員気合が入っていた。しかし、生田が四球を連発エラーもあった。打線も全く機能しなかった。気合が全員空回りしてしまった。心のすきと久しぶりの公式戦で1-3で敗れてしまった。
その後彼らは、いつも以上に気合を入れて練習を重ねた。練習試合も重ねた。勝てると思った相手に負けたことが、相当悔しく練習を重ねた。
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