第18話 父そっくりな男児
「随分と眠っておるようじゃ、
まだ、寝かせておるがよかろう。」
「パパは? まだ寝てる?」
小さな男の子がセト神様に手を引かれて部屋を出る。
セト神様のお后様は男の子に座るように促すと、お茶とお茶菓子を置いた。
「わぁ〜! 美味しそう!!」
セト神「名前を考えねばの。。。」
「パパにつけてもらうんでしょ。」
お后「そうね。。。お父様がお目覚めになったら、つけてもらいましょうね。」
男の子は、お菓子をポリポリと口に運びながら、父が目覚めるのを楽しみに待っているようだ。
セト神「それにしても、良く似ておるの。。。似せた感じでとは言ったものの。。見事であるな。。」
「僕、パパにそっくり?」
お后「えぇ。良く似ておりますよ。
きっと、賢くて聡明なお子ですね。」
男の子は、ニコニコと嬉しそうだった。
すると、そこへアレフ様がやって来る。
「わぁ、ひぼこ様が、小さくなったかと思ったよ。
そっくりだねぇ。。。
前髪が目を隠しているあたりも・・・
見えるのかな?」
男の子は、前髪を上げて目を見せた。
「見えるよ。髪の毛で目を隠した方が安心なんだよ。」
アレフ「そうなんだね。
青い目がなんとも素敵なんだけどね。」
「素敵?」
アレフ「君のお父上様も青い目なんだろうねぇ。 ちょっとウェーブがかかった感じでね、男前だと思うよ。」
「パパは、かっこいい!」
アレフ「ハハハ、そうだね!
かっこいいよ。」
「誰がかっこいいって?
僕の事かい?」
ひぼこ様が目覚め、部屋へとやって来た。
息子となる男の子との初対面である。
「パパ!」
男の子は、ひぼこ様に抱きつく。
ひぼこ様は、嬉しそうに我が子を抱きしめていた。
「初めましてだ。 ひおり。」
男の子に向けてひぼこ様は、命名した。
「お前の名は『ひおり』だよ。
僕にそっくりだからね。
名も似た感じでいいだろ?」
「僕、ひおり?」
ひぼこ「そうだ! 今から『ひおり』だ。」
アレフ様とセト神様御夫婦も、嬉しそうに
何度も何度もその名を呼んでいた。
「『ひおり』・・・」
アレフ「良い名だ。。。」
ひおり「僕は、ひおりだよ!!」
ひぼこ様そっくりな、この男の子。
彼が誕生した事で、後にひぼこ様は、
アカルヒメ様との御夫婦としての
大変な誤解を招く事になるのである。。
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