第29話 齟齬
「あなた方の経緯は今更、掘り下げなくとも一目瞭然ですからね、勅使下向(ちょくしげこう)内閣総理大臣?」右手を挙げ発言した篠山は、勅使下向に宛てたコメントだったが、売り言葉に買い言葉だった・・・。
「何が言いたいのですかね篠山副会長?」日本学術会議が全メンバー揃って内閣総理大臣に会する機会を虎視眈々と狙って居る者は少なくはない。
篠山静夫は理学博士と 立場は科学者だが、先のコロナワクチン開発に成功し、合衆国のナサ保険局との連携で世界をパンデミックの恐怖から解き放った功績が評価され学術会議の副会長に抜擢され国際活動担当及び政府との関係等担当を担っていた。
連携会員が2000名存在するなかでの躍進は目覚ましいばかりだった。
が、その学術会議の場に於いても由々しき問題が上がろうとしていた。
「篠山さんあなたは、破天荒な学者と名高い、そもそもその質によりワクチン開発が成功したと言える。しかもその経緯はご存知の筈、何を今更政府を戒める発言をなされたのか?我々の考えには少しでも乖離等の齟齬(そご)があってはならない! 逡巡して答えて貰いたい!」 勅使下向内閣総理大臣には感情の起伏など縁遠い事案であるとの思い込みが意図も簡単に崩れ去った刹那だった。
「アストラのワクチンを射つと服反応が出るらしい!ファイザー社のワクチンでは人体に無害だが、個人情報を乗っ取られるらしい!」全て憶測の拡散だったが、ワクチン接種の該当者は、予約を挙ってキャンセルし出した!「命の選別はさせない!遺伝子操作はさせない!」
「何が夢の都市をフューチャーしたスーパーシティ法案だ!全部管理して国民を縛り上げてるじゃないか!?」
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